十二支は目黒区の緑道にいる
東部に中目黒、南部に自由が丘、北部にあの東大の駒場を擁しながら、基本的には住宅街が主である東京都、目黒区。桜で有名な目黒川沿いや区内では暗渠になっている呑川の緑道で、町並みに緑が多いのも特徴だと思う。
そんな緑道の車止め用ポールの上に小さな(だいたい20センチ四方ぐらいだろうか))動物の像が点在していることは、通りがかるたびに見て知っていた。
色々な種類の生き物がコロッとした丸い形にデフォルメされていて、可愛すぎずかっこよすぎず、絶妙なたたずまいでグッとくる。
目黒区には「みどりの散歩道」という、区が整備して案内看板なども充実している散歩コースがある。どうも動物たちはその道みちにいるらしい。
気になってから注意深く見るようになったのだが、このモチーフがちょっと唐突なのだ。
エビ、セミ、ナマズの唐突
最初に見つけたのはアヒルだった。お風呂のゴムのアヒルちゃんのような風貌が鉄器で作られていることにややギャップは感じたものの、まあストレートにかわいいし、モチーフとしては納得できる。が、次に見つけたのがエビだったのだ。
エビ?
思わず二度見である。ザリガニのようにも見えるが、いややはりこれはエビだろう。というか、エビでもザリガニでも感想は一緒だ。「なんで?」。
さらに探してみると、かめやスズメなど、像として散歩道に配置するのに想像の範疇を出ないタイプの生き物も見つかるには見つかるが、安心するたびにエッと思うものが繰り出されてくる。
だって、セミ、バッタ、ナマズってどうだろう。緑道のマスコットにナマズって思いつくだろうか。
十二支に引っ掛けて十二種類あるという事実
そして今回、いよいよこれはもう全種類見届けるしかないと思い立った次第だ。勇んで目黒区役所の担当部署、みどりと公園課の方に聞いてみると、全部で12種類があるとのことだった。
「十二支に引っ掛けまして、12種類作ったと聞いております」とも。
ああ、なるほど! と思って電話を切ってから、「ハテ」である。十二支というと、ねーうしとらうー、だ。ねずみ、牛、虎など辰以外は案パイといっていい動物らしい動物がフィーチャリングされている。
そこへ、目黒区はセミを、バッタを当ててきたというのだ。フリーダム!
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