みなさん稲荷寿司はお好きかな? 僕は好きだ。 埼玉県熊谷市の妻沼地方には、横長の稲荷寿司があるという話しを聞いた。 妻沼聖天(めぬましょうでん)と呼ばれるお寺、歓喜院のまわりでは稲荷寿司とのり巻きが詰め合わされた、いわゆる助六寿司が名物だという。 その稲荷寿司が、すいぶんと横長らしいのだ。 これはさっそく食べてみなければ。
(工藤 考浩)
旧妻沼町の聖天稲荷
というわけで、埼玉県北部の熊谷市にやってきた。 めざす妻沼聖天へは、熊谷駅からバスに乗る。 ちなみにバス移動も含めると、都心から2時間ほどかかる。 2時間かけて稲荷寿司を食べに行くことがあるとは夢にも思っていなかった。 事前に情報収集したところによると、横長の稲荷寿司は妻沼聖天の周囲にある3軒の寿司店(それも持ち帰りの稲荷寿司専門店)で販売されているらしい。
歴史のある街並み
関東地方にお住まいじゃない方は、埼玉県は東京のとなりだから、きっと都会だろうと思われるかもしれない(実際に北海道出身の僕はそう思っていた)。 熊谷市は埼玉県内でも大きな都市だが、バスで少し行くとのどかな田園風景が広がるような街だ。 これから向かう旧妻沼町は江戸時代に妻沼聖天の門前町としてたいへん栄えたとのことで、いかにも関東の古い町という風情がある。 お目当ての聖天寿司は、その頃から伝わる伝統のあるお寿司らしい。
聖天様を素通り
バスをおりるとほど近いところに聖天様はあるのだが、今回の目的は稲荷寿司だ。 場合によっては売り切れることもある人気だそうなので、お参りする前に寿司屋さんに急ごう。
小林寿司へ
バス停から数百mのところに、聖天稲荷を販売している小林寿司があった。 持ち帰り専門の寿司店だが、想像していたよりも大きな店構えで、外観を撮影している間にもどんどんとお客さんが入っていた。 店内にはいると、3人のお客さんが列になって、稲荷寿司を購入していた。 店の奥は調理場になっていて、見える限りでも数人の女性が、もくもくと稲荷寿司とのり巻きをパックに詰めていた。