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フェティッシュの火曜日
 
私の考えた「どっきりシール」


この間、中野ブロードウェイ(フィギュアを主とした趣味雑貨の宝庫)を冷やかしてみたのだが、「ビックリマンシール」を売る店があり、レアなシールはなんと数十万で取り引きされていた。チョコのおまけが、パソコン並みのお値段に!

男の子なら誰でも知ってる「ビックリマンシール」だが、漫画風イラストのそれはあまり自分にはなじみがないのだった。私がよく覚えているのは、ビックリマン初期の「どっきりシール」である。

本物そっくりのコンセントやタバコの吸殻などの絵柄のシール、それを家のそこここに貼っては、家の者を文字通りびっくりさせていた、アレだ。懐かしい。ビックリマンシールといったら、わしにはアレのことなんじゃよ。

懐かしいので、私も何か作ってみたいと思った。いい年こいてどっきりシール作りである。 

乙幡 啓子



さて自由種目の前に規定種目と申しますか

ビックリマンシール知ってる人を前提に、冒頭文を一気に書いてしまった。ここは落ち着いて、「どっきりシール」がだいたいどんなものだったか、雰囲気だけ再現してみよう。実物を見たい方は、各自画像検索をしてみてもよいでしょう。


まあ、普通にこういうスイッチをですね、写真に撮りますわな。


今回は光沢ラベルを使ったが、ステッカーのほうがそれっぽい。でも高いぞ。

はい、もちろん左が、ラベルに出力して切り取った「スイッチシール」です。ホワイトバランス悪くてすいません。

この分野、スイッチやコンセントなどの設備モノは安心の強さだ。写真に撮って印刷して切り取っただけなのに、ちょっと遠くからみたら本物と見まがうようなどっきり度。もういろんなところに貼ってみたくなる。



冷蔵庫にピッ

パソコンにピッ

と、こんな感じである。脳をちょっと乱されるこの感覚、まさに「びっくり!」というより、静かに「どっきり・・・」という気分である。幼稚ではあるが侮れない。これを最高に研ぎ澄ますと、アートの方向にも進んでいけるんでしょうな。

やってみよう 見てみよう

しかし手前ども、アートな風呂敷はとてもじゃないが広げられない。よって、わが道を行くことにする。でもたぶん道に迷う。


思いつくまま印刷。このうち半分がボツ。

家の中で「これは」と思ったものを手当たり次第に撮ってみたが、作ってみても「どうにもこれは使えんな」というものもあり、例えば上の写真ではあの赤い物体がそうだ。ネットで検索した「地球の内部構造」である。コア、ってやつだ。これをキャベツとかに貼ったらいかがかと思ったのだが、ワケわからなすぎてやめた。

そしてとりあえずひとつできた。
これがうちの壁に出現したのだ。夢のような事態である。



台所の壁に・・・

あ、オフィスとかの壁にボコッてでっぱってる、なんかの計器!

いきなり立体感乏しいシールになってしまい申し訳ないが、あのボコッて でっぱってる(ように見える?)のは、ビルオートメーション用の計器だ。

なんか普通にこういうシールあってもよさそうな気がしてきた。子供部屋に、リビングに、ちょっとした来客のときに、どうぞお貼り下さい。


山武さんその節は取材ありがとうございました。

オフィス仕様でどっきりの次は、うって変わって自然派のどっきりを考えてみた。「自然派のどっきりを考えてみた」ってすんなり書いたけど、読み返すとなんだか妙な文を書いてしまったと思う。



あ、壁に穴!敷金が戻ってこないぞ!

なぁんだ、キタタキの開けた巣穴じゃないかー。

絶滅が危惧されているキタタキの巣じゃ、しょうがない・・・と、うっかりそういう気持ちになってしまうが、ほらよく見るとシールだよ。よく見ないとわからないくらい、和室の壁になじんでしまった巣穴シールである。


今も貼ってある。何度も見てるのに、毎回どっきりしています。

と、このように、「本来そこにあるべきものを模倣して」どっきりさせる(スイッチ、計器など)パターンと、「本来そこにないはずのものを出現させて」どっきりさせる(巣穴)パターンとがあるわけだが、今回は後者のパターンで進めてみたい。何分析してんだか。

そこに無いはずの「穴」から、その向こうを見てみたいのだ。


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