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ひらめきの月曜日
 
小湊鐵道・第4種踏切めぐり
 


 鉄道と道路とが交差する地点、踏切。列車が来ると遮断機が降り、警報機がカンカン鳴るあれだ。

 それがたぶん一般的な踏切のイメージだと思う。ただ、踏切には種類別が設けられていることをご存じだろうか。先に書いた踏切は「第1種」とされるものだ。

 遮断機も警報機もない踏切というのもある。「第4種」の踏切だ。そう言えばどこか旅行に行ったとき見たことがある。

 そのそっけなさになぜか惹かれる、最もプリミティブなあの踏切。今回は千葉県を走る小湊鐵道を訪れ、第4種の踏切をめぐってみた。

小野法師丸



●千葉のローカル線・小湊鐵道をたどって

  第4種踏切を巡る旅として訪れたのは、千葉県の房総半島を東西に走る「小湊鐵道」という路線だ。


西側の始発駅、五井

 一両編成のディーゼル車がのんびりと走る、この小湊鐵道。まずやってきたのは、西側の始発駅である五井駅。ここから東側へ山の中に入っていく線路をたどり、第4種の踏切を見て回ろうというわけだ。


ダムへと誘う小湊鉄道
かわいいなー

 五井駅の周りは中層の建物もたくさんあり、JR内房線と乗換駅にもなっていることもあってか、それなりのにぎわいを見せている。しかし、全長39.1kmのこの路線には、第4種の踏切が数十ヶ所もあるらしい。


五井駅から最も近くにある踏切

 早速線路に沿いながら移動していくと、最初の踏切と出会った。おっ、これは警報機も遮断機も備わっている第1種の踏切だ。第1種という名前からしてもそうだが、おそらく最も一般的な踏切の様相と言っていいだろう。(踏切の種類別についてはこちらを参照)

 やはり一番栄えている始発駅からしばらくの間は、この種の踏切が続くだろうか。そう思っていたのだが、次に見つけた踏切はこれだった。


早くも第4種登場

 もう第4種の踏切だ。警報機も遮断機もない。

 踏切の分類について知るまでは、こうしたものも「踏切」と呼んでいいのかよくわからなかった。警報機も遮断機もないから、そう感じていたのだろう。

 しかし今でははっきりと言える、これも確かに踏切だ。ただ、知識としてそうはわかっても、やっぱり違和感がある。だからこそ、この手の踏切と出会うと感じるものがあるのだろう。


車両通行不可
「きしゃ」というのが新鮮
ロケーションはこんな感じ
そっけなさがいい

 交差する道の幅も狭く、車両の通行も禁じられている。住宅街の中にあるのでそれなりの往来もあると思われるが、踏切そのもの真ん前は田んぼだったりして、のどかさも漂う。

 予想より早く登場した第4種の踏切。続いての踏切も第4種だった。


先ほどのものより警告性が高い
道路のくたびれ感と調和

 まだ住宅街を抜けないうちにあった次の踏切も第4種だが、しっかりとした作りの注意表示もあり、特に子供に危険を示す配慮がされていた。警告性が高まって安全に配慮されている分、ひなびた風情を求めるとすると、この手の表示は無粋に写るかもしれない。

 順調に出会えた第4種踏切。この調子でできるだけ線路に沿って移動して探していこう。


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