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フェティッシュの火曜日
 
フジワライトをつくりたい
フジワラのライトなのでフジワライト


 光と闇。この象徴的な二項対立では、前者がいいやつで後者がわるいやつとされている。物語なんかでも、主人公は光の戦士だったりする。

 昔から人間はそういうイメージを持っているようで、かくいう僕も光にあこがれはあった。しかし、それは幼き頃の話だ。現状を鑑みると、僕は光のイメージとは程遠い、ほの暗い闇の底でぬらぬらとうねる暗黒生命体である。

 これでいいのか? 違う。そう答えるのは誰? 僕の中の僕。そうだ、世の中を照らしだすような光になりたかったんだ。僕の名前はフジワラなので、“フジワライト”だ。

(text by 藤原 浩一

自分が映し出されるライトを作ろう

 僕が世の中を照らす光になるとはどういうことか? きっと暗い闇が、僕から出た光によって切り取られるのだ。そこには僕が僕である証が示されているに違いない。きっとそうだ。

 今日はそんな照明器具を作りたいというお話です。


これがフジワライトのイメージだ!


 フジワライトと名付けた照明器具の仕組みは簡単だ。

 僕の顔を印刷した半透明のフィルムと懐中電灯を合体させ、フィルムに光を透過させることで、その先に僕の顔が現れるというもの。さあ、がんばろう。おー。

 

フィルムに顔を印刷する

 さっそくインクジェットプリンタで印刷することのできるフィルムを買ってきた。学校などでたまに見かけたOHP(オーバーへッドプロジェクタ)用のフィルムだ。

 ビックカメラへ行ったら印刷用紙に紛れてひっそりと売られていた。


もうあまり需要はないのかもしれない

フィルムである


 自分の顔の画像を切り取り、A4サイズのフィルムに配置する。どのくらいの大きさにするのが正解なのか分からないため、大中小の3パターンにした。

 これでも自己嫌悪で夜中に唸ることが日課の僕なのだが、こうやってPC上に大中小の自分の顔を並べていると、自分大好きみたいだ。不思議だ。


顔の部分を切り取って並べる


こんにちは        こんにちは        こんにちは


 プリンタにフィルムをセットして印刷を始める。印刷設定を見ると「OHPフィルム」という用紙オプションがあった。濃い目にインクが出るようである。

 インクがもったいないから髪の毛を少し削った。エコだね。うん。



始めて使う設定

少しだけ削る


 印刷すると、より一層変な気分になった。半透明に後ろが透けているだろうか? 生首だからだろうか? 3つ並んでいるからだろうか? 

 よく分からないが愉快と不快のどちらでもない場所に連れてこられた感じがする。ここはどこなのだろうか。彼岸?


こんなことをするためにパソコンとプリンタは生まれたんじゃない


取りあえず滞りなく出来たが、これはなんなんだ


 フィルムを眺めているのもそこそこおもしろかったのだが、目的は違うところにあった。ここに光を透過させて、僕の顔を映し出すのだ。

 ということで、懐中電灯でフィルムを照らしてみる。


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