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フェティッシュの火曜日
 
範囲図の境界を攻める

範囲図片手に境界めぐり

たぶん、みんな境界が好きなんだと思う。

もちろん、私も境界が好きだ。国境とか県境とか、市や町の境とか。自転車で走っていて「○○市」とかのプレートを見た時とか、その境を越える時とか、何か無性にわくわくする。

そんな境界が存在するのは、何らかの範囲があるからで、そしてその範囲を定めているのが範囲図である。範囲図さえあれば、いつでも境界に対して心をときめかせることができる。素晴らしい。

さぁ、それでは範囲図を手に、境界を訪ねる旅へと出よう。

木村 岳人



目白で見つけた良い範囲図

ただ単に範囲図と言っても、その種類は山のようにある。大きなものでいえば国境とか、小さなものではレストランの喫煙席禁煙席の色分けだって立派な範囲図だ。世の中は範囲図で満ち溢れている。

ちょっと町を見回しただけでもホラ、このようなカッコ良い範囲図を見つけることができた。


目白駅付近に置かれていた自転車放置禁止区域の範囲図

これは東京都豊島区の目白駅、雑司が谷駅付近における自転車の放置禁止区域を表した範囲図だ。二つの駅を中心として、自転車を放置してはいけないエリアが赤い線でくくられている。

いやぁ、しかし、この範囲図、凄く良い。左側の目白駅からは四方の道に沿って範囲が伸びているのに対し、右側の雑司が谷駅からは範囲が放射状に伸びている。

このように、範囲図はその形状が複雑な方がぐっとくる。なぜ、そのような範囲にしたのだろうかと疑問に思う。それを確かめるという意味でも、ぜひとも境界を歩いてみたい。


自転車放置禁止区域の境界を攻める

というワケで目白駅にやって来た。先ほどの自転車放置禁止区域の範囲図を元に、ここから範囲図の境界をたどっていくことにする。


範囲の中心、目白駅

範囲図によると目白駅を中心とし、駅前から伸びる目白通りと山手線の線路にそれぞれ沿って、おおむね十字の形に範囲が設定されている。

最初はその十字の南端を目指してみることにしよう。


駅の脇から南へ伸びる道を行く この辺は、まだまだ自転車放置禁止
このT字路で範囲は終了(マウスオーバーで境界表示)

駅から歩いて数分。程なくして範囲の境にたどり着いた。この交差点こそが、目白駅付近における自転車放置禁止エリアとそうでないエリアとの境界南端である。

さらに正確に言えば、この交差点の横断歩道を渡るすぐ手前、境界線が引かれているのはそこまでだ。


ここよ、ここまでが範囲内なのよ ここはもう、範囲外

いやぁ、実際の現場で境界を特定するのは楽しいね。楽しいでしょう。楽しいですか。楽しいよ。

……ここまでやってきて、ちょっと心配になってきた。私が今一体何をしているのか、何をもって喜んでいるのか、まったく理解できないという人もいるのではないだろうか。なんとなく、そんな気がする。ですがまぁ、続けます。

今度は目白駅から西、そちらの境界を見に行ってみよう。


目白駅から西は普通の繁華街 サソリが食べられる「村さ来」も範囲沿いに
はい、この交差点が西の境界(マウスオーバーで境界表示)

西端はいたって普通の交差点。強いて言えば、範囲外の方は心持ち建物の高さが低くなっているくらいだろうか。正直、範囲内と範囲外の違いがあまり分からない。

というワケで西端はチェック完了。次は北端を目指しましょう。サクサク行きますよ。サクサク。


北端へは細い路地を入る ここも自転車放置禁止エリア範囲内
駐輪場があった。放置せずここに駐輪しろということだろう 山手線線路とぶつかる所で範囲は終了(マウスオーバーで)

う〜ん、どうだろう。目白側の範囲の境界を一通りめぐってみたものの、境界の範囲内と範囲外の違いははっきりしない。駅からの距離だけで決められた範囲なのだろうか。

まぁ、まだ目白駅周辺だけしか回っていないし、何とも言うことはできないだろう。とりあえず、雑司が谷駅付近の境界もめぐってみる必要がある。


目白通りを雑司が谷駅方面へ歩く 通りは範囲内だが、すぐ横の学習院大学の敷地は範囲外
地下鉄副都心線雑司ヶ谷駅に到着

目白駅は比較的お店などの多い繁華街であるが、この雑司ヶ谷駅は住宅地の中にある地下鉄の駅。

側には明治通りや都電荒川線なども通っていたり、有名な鬼子母神堂があったりとなかなか情緒がある地域だ。


銀杏がきれいな明治通りは自転車放置禁止範囲内 都電荒川線近辺も同じく範囲内
鬼子母神もギリギリ範囲内 そしてこの交差点が範囲の東端(マウスオーバーで)

これで全て境界を回ったことになるが、正直範囲内と範囲外に目立った違いは無いように思える。やはり、駅からの距離が基準となっているのだろう。あとは主要道路かどうかなども考慮されている感じはする。

この自転車放置禁止地域、範囲図の形状はカッコ良かったが、現地に行ってみると範囲内外の差が分かりにくいという地味極まりない結果に終わった。次は、もう少し見た目に分かりやすい範囲図の境界を見てみよう。


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