●迫りくる楽しさとおいしさ
続いては千葉県の鎌ヶ谷店。波板と廃木材との組み合わせは「びっくりドンキー」では定番だが、この店は特に凝縮度が高いように見える。
組んだ足場をそのままにしているようにも見える木材。建物の合理的な機能としては必要ないのだが、かっこよく見えるものというのは得てして必要のないものだ。
すぐ向かいには鎌ヶ谷市役所の建物があるこの店。役場というお堅い建物のそばにあるという対照性も面白い。秘密基地のようでもある謎のたたずまいは、入りたくなる気持ちを後押しする。ちょうどお昼時でもあったので、入って食事をすることにした。
内装もやはり外観のイメージを損なうことなくコーデネートされている。純粋に「食事をする場所」として考えたときには意味のないものにあふれていて、それが店内を魅力的にしている。
右の写真、3つ並んだランプシェードが全部違うものになっている。というか、真ん中のはバケツだ。
今回は一枚の木製皿にハンバーグ・サラダ・ライスが全て載ったディッシュメニューの中から、レギュラーバーグディッシュの300gを注文。相当大きいハンバーグだが、これで確か800円くらいだったと思うので手軽だ。
さて、こちらの建物、先ほどまでの写真ではわかりにくかったのだが、ある特徴がある。
建物が店だけで独立しているのではなく、マンションと一体化しているのだ。
フラットに四角い普通のマンションと、どうかしてる感じの「びっくりドンキー」。別々の要素が合体していることで、他の店にはない違和感が強まっているように見える。
最後に紹介するのは、千葉県・千葉市の美浜店だ。何というか、もう「砦」である。
知らない国の山奥にあるのでもなく、屈強な男たちが隣の村を攻める拠点としているわけでもない。あつあつでおいしいハンバーグを提供するレストランなのだ。
外国人の観光客を連れて行ったりしても喜ばれるのではないだろうか。和風ではないけれども、エキサイティングな気持ちになってくれると思う。
エキサイティング&ハンバーグ。ただでさえエキサイティングであるハンバーグを加速させる外観。中から槍を持った男たちがわらわらと登場してくるわけではないので、安心して訪問してほしいと思う。
すごいことになってる順で紹介してきた「びっくりドンキー」。中盤くらいからは甲乙つけがたく、それぞれの店の個性が強烈だった。
今回紹介したような店ばかりではなく、中にはシンプルな店舗もあるようだが、他の地域にはもっとすごいことになっている店もあるらしい。今後、旅行先に行ったら出来る限り「びっくりドンキー」を訪れてみたいと思う。