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ロマンの木曜日
 
東京大学で講演してきた

しかも肩書きが「ダムファン」、この肩身の狭さ

  はじめにお断りしておくと、今回は非常に個人的な内容で、しかも話のいきさつや中身がところどころ意味不明だと思います。なにしろ、自分でもいまだに理解できていないので。すみません。

僕はダムを見てまわるのが趣味で、ヒマがあれば全国あちこちのダムに出かけているのですが、今回「ダム工学会」というところからシンポジウムでの講演を依頼されました。

ダムの話を人前ですることが最近多くなってきたので、あまり深く考えずにOKしたのですが、会場が「東京大学」とのこと。

東京大学で、講演ですかー。え、東京大学って、あのと、と、東大!?

萩原 雅紀



馬鹿からみた東大

東京大学本郷キャンパスに近い丸ノ内線の本郷三丁目駅に降り立つと、巨大な赤い門に出迎えられました。

丸の内線の路線カラーが赤というのもあると思いますが、門型なのはやはり東大の赤門をイメージしているのではないでしょうか。のっけから背筋に緊張感を強いられます。


本郷三丁目駅前にいきなり赤門 東大に続く道

東大といえば、実力でも知名度でも「日本の大学の象徴」と言っていいと思います。子供が初めて覚える大学の名前はたいてい東大だろうし、「東大を目指して何浪もしている居候のお兄さん」みたいな人が漫画やドラマにもよく登場しますよね。

合否判定の第三志望欄あたりに東大を入れて「合格可能性10%以下」なんて結果を見て苦笑する、といった経験も誰もが一度はあるでしょう。

そんな東大に近い駅だけに、あの赤門にはすっかり威圧されましたが、一歩外へ出ると街はいたって普通。駅前にはコンビニや居酒屋が立ち並んでいて、それまで想像していた、学帽をかぶってメガネを光らせ、六法全書を小脇に抱えた鋭い顔つきの学生が下駄を鳴らして闊歩する、なんて光景はありませんでした。

自分でもどんなイメージだよ、と書いてて呆れますが、僕は大学というところ自体に行ったことがなく、大学受験もしていないので、全体的なイメージは中学生くらいのときのままです。


でもやはり街の中には脈々と赤い血が流れる 赤いレンガの壁、これはもしや…!

しばらく歩くと、右手に赤いレンガの壁が見えてきました。いよいよ東京大学のお出ましです(意味不明)。

まわりを歩く人たちはみな大きなかばんを背負って、早足でずんずん進んでいきます。きっとあのかばんの中には僕が見ても理解できない数式や外国語が書かれた高い参考書が詰まっているのでしょう。

すると突然視界が開け、目の前に見覚えのある赤い門が現れました。あ、赤門だ!


顔がものすごく緊張している

思わず自分撮りしてしまったのですが、撮ってから考えたらこれはすごく恥ずかしい行為ですね。

講演会場に向かうため中に入らなければならないのですが、大学って勝手に入っていいものなのでしょうか。入口で生活指導の恐い先生に「どこの生徒だ」なんて止められたりしないでしょうか。

すこし悩みながらも、誰もチェックを受けていなかったので意を決して、さも自分がここの学生であるかのように門に向かいました。

「おかあさん、ついに僕はここまで来ました」と心の中でつぶやきながら門をくぐったのですが、別に苦しい受験戦争を勝ち抜いたわけではないので、特に感慨はありませんでした。

門の内側は、美しいイチョウの巨木と歴史を感じさせる建物が立ち並び、まるでシャンゼリゼの裏通りといった風情でした。行ったことないけど。

季節柄、銀杏の強い香りも立ちこめていて、それもシャンゼリゼを想い起こさせます。行ったことないけど。


赤門の内側はお洒落だけどうんこくさい うんこくさいけど瀟酒な校舎(韻と銀杏を踏んでます)

平日ということもあって、構内には学生や講師と思われる人たちが大勢歩いていました。

すごい、いま目の前にいる全員、いや、この構内にいる全員が僕よりぜんぜん頭いいんだぜ。すごいなあ。あこがれるなあ。

などと、完全にお上りさん状態で写真を撮りながら歩きました。


はいっ!気をつけます! あなたも僕より利口そうですね

すごい!頭よさそう!というだけでなく、さすがに歴史のある建物も多く、どこに向かってカメラを構えても絵になる構図ばかりです。また、大学というところに対して僕が無知なだけだと思いますが、構内にはお洒落なカフェみたいな場所もあって、こういう環境で好きなことを勉強できるということをとても羨ましく思いました。もちろん、その権利を手に入れるにはそれだけの努力が必要ですけど。

さらに奥に進むと、ふたたび見たことのある建物が目の前に現れました。


本当に東京23区内かよ、という光景 あ、あれは!

ずっと東京に住んでいても、例えば東京タワーに登ったことがない人とか、お台場に行ったことがない人とかけっこういると思うんですが、それ以上にハードルが高いのがこの安田講堂ではないでしょうか。テレビとかの映像にはよく登場するけど、なかなか見る機会はないと思います。詳しくは知らないけどいろいろ歴史があって、さすがに迫力がありました。

周辺にはベンチがあって一休みもできるので、見たことのない人はいちど行ってみることをお勧めします。


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