子供のころ、雪が降ればとりあえず食べていた。通学路の雪はおやつだった。夏は道草、冬は道雪を食べながら家に帰るのだ。 雪はおやつと言ってみたが、考えてみれば、おやつというより白ごはんに似ている。本格的な冬がやってくるまえに、雪を主食としてとりあげることで、今シーズンの雪食べをリードしていきたい。
(櫻田 智也)
●冬の山へ
さて、ぼくの住んでいる町内にも雪が降ったは降ったのだが、
すぐにほとんど溶けた
まだ根雪になるほどではない。土がついてくるような雪では、さすがに食指が動かないというもの。
あのへんならおいしそうな雪があるか
山をみるとそれなりに雪がありそう。あのあたりまでいってみよう。旬のまえの食材を手に入れるのは容易ではないのだ。 なんて思っていたら、
車ででかけて、
ものの10分で
ちょっと山に入っただけですっかり真冬の景色だった。岩手をみくびっていたぜ。 やばい、このぶんだとすでに雪を米のように食べはじめた人がいるかもしれない。
●ポイントさがし
麓ちかくにもそれなりにおいしそうな雪はあったが、できるだけ高地の、まだ人の手がついていない雪を食べたい。そんなグルメな気持ちで車をはしらせていたのだが、中腹まできたあたりで、
道に樹ぐわ〜ん
奥にもぐわ〜ん
この先は車の轍もなく、少なくともここ数日は人が踏み込んだ形跡がない。おいしい雪は向こう側にあるのだ。いちかばちか、ぼくは車のアクセルを踏んだ。
ダメでした
●雪食べはじめ
タイヤがウインウインいってたので、あきらめて少しくだることにした。
雪食べシーズンの開幕を宣言します
気持ちのいい景色。すっかり気分はハイキングだ。そう思えばおなかもすいてきた。ごはんなら目の前にたくさんある。
さてと
えい
うむ
自信が確信にかわりました