業界6:文房具製造
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お名前:加藤さん(仮名) (41歳)
お勤め先:文房具製造
この仕事に関わってから:19年
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−−−いまのお仕事は
文房具を売る部署で内勤の仕事をしています。外に出るチームには外に行ってもらって、伝票の作成や処理などを任されています。例えば名入れの伝票などは位置や内容など細かい指定があるので。
−−−名入れは国内でやっているんですか
純国産ですね。むしろ近くにないと納期がかかるので、バイク便で動ける距離にないとむしろ無理です。主に東京の下町ですね。
−−− 名入れは機械ですか
いや、手作業です。筆記具って形が決まってないので、機械に入れられないんです。いちばん単純なのはシルクスクリーンですね。名入れで問題になるのが乾かす場所なんです。本数が増えると対応できなくなることがあるんですが、それは乾かす場所がないから。
−−−忙しい時期、ひまな時期はありますか
忙しいのは新学期ですね。春休みから入学式が最大のピークです。1月から徐々に忙しくなって、4月のあいだはずーっと落ちずに行って、ゴールデンウイークぐらいまではものを買ってくれます。ゴールデンウイークを終わって、6月からはすこんと動かなくなります。
6月〜8月は閑散期で、夏休みが終わると学用品が動きます。9月を「第二新学期」なんて呼び方をしています。
−−−第二新学期ですか
いまは二学期制の学校が増えてきたのでほんとうに新学期ですけど。むかしから第二新学期といういいかたをしていました。
秋にはいると画材が売れたりとか、ちょっとずつ別の物が売れる流れができます。12月〜1月は第二の山場がきます。 最大は年賀状ですね。
−−−筆ペンですか
筆ペンもそうですが、万年筆が出ます。万年筆で書こうって人が増えます。あとはダイヤリー手帳ですね。手帳の需要が10月からきます。
−−−クルトガというシャープペンが売れてますよね
あれは500円なんですが、500円のシャープペンって冒険なんですよね。 数が出る価格帯ではないんですよ。筆記具は100円がメインです。こんなに100円縛りがきびしい業界はそうそう無いと思います。
透明の軸の事務用ボールペンって80円だったんです。業界としてはせめて100円にしたいって気持ちがありました。それで各社がラバーのグリップをつけたり、クリップをつけたりいろいろやった結果、ようやく100円のボールペンが定着したんです。
このあとこっそり聞いた話では、日本の鉛筆販売の10%はスクエア・エニックスのバトルえんぴつ(通称バトエン)なのだそうだ。スクエア・エニックスは三菱、トンボに次ぐ日本で3番目のえんぴつメーカーらしいぞ。
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