何か軽いもの第二弾登場
2品目の「何か軽いもの」は、「もずくスープ」だった。
もずくの酸味と溶き卵の甘みが絶妙なハーモニーを奏でている。カラオケを歌い終わったあとに、この優しい味。まさにママの愛がつまった「何か軽いもの」と言えよう。
更にうれしい事に、デザートもつけてくれた。
ああ、本当に実家に帰って来たみたいだ。「綾」に来て本当に良かった。近くのホテルが薦めているのは伊達じゃない。僕も今後はことある毎に「綾」を薦めていきたいと思う。
そんな多幸感に包まれていると、
「あそこに面白い物があるわよ」
とママに促され、入口付近に飾ってあった日本人形を手に取った。
一見、普通の日本人形である。 これのどこが面白いのだろう?
首を傾げていると、ママから「引っくり返して裏を見てみて」と言われた。
引っくり返してみる。
人形の底にいわゆる春画の立体版が仕込んであった。 2人の下半身があまりにもリアルなのでモザイクを入れた。
「ね、面白いでしょ」
とカウンターの向こうでママが笑った。
やっぱりここは実家とは違う。
というわけで、今回は「ニンジン克服大作戦」を中断してスナックで「何か軽いもの」を食べて来た。
ママが作ってくれた焼きそばの中にもニンジンが入っていて、やっぱり残してしまった。実家ライクなスナックだったけど、僕の実家では焼きそばにニンジンは入らない。僕が嫌がるからだ。
そういった意味でも、ちょっと実家とは趣の違う実家ライクなスナックであった。
今度久しぶりに実家に帰って、ニンジンが入っていない焼きそばを食べたい。 そんな風に思いました。
(おわり)