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ひらめきの月曜日
 
渋い柿をどうにかして食べたい

 

なにをやっていたのか

えーと、まずは袋から出した段階で、香りがすごく良かった2つをご紹介しよう。

ちょっとだけショッキングなご報告はそのあとで。まずは気持ちを落ち着かせてください。

 

なんでビールなのにこんないい匂いなんだ!
 
量をケチらなかったのが良かったのか、表面が溶けかかっています。ほぼ飴色。
ウイスキーはビールの比じゃない香りの良さ。 残った汁(アルコール)も非常に美味でした。

 

香りを楽しんだだけで、まだ食べてはいない。

さて、いよいよ実食段階へとやって来て、何から食べるべきか少々悩んだが、やはり最初に確認するべきは「渋がどう変化しているか」であり、その役割をきちんと果たせるのは「なにもしない柿」以外になかろうと思うのだ。

もしこれに渋が残りまくっていたりしたら、いい比較の対象になるんだけどなぁ。かなりトロッとしてきてるなぁ。なんかいろんな意味で不安だなぁ。

 

そして、いやな予感は的中していた。 渋、あらかた抜けてます(ショックでちょっと泣けた)

 

結局アレだ、一度皮をむいてしまった渋柿は、特に何か手を加えなくとも、小さく切って冷蔵庫に放置して3日もすれば渋は抜けると。そういうことなんですか。

そういや、皮をむいて丸のまま吊しておけば、自然に渋は抜けるんだったな。ま、時間はかかるけど、それを超特急でやった結果がコレということなんだろう。

アルコール選択の段階から気を配り、一喜一憂した私の立場はいったい。これらの作業の意味は。そしてこの企画の着地点はどこに。

とりあえず、肝心の味だけは確認しないといけないだろう。これがおいしかったら丸く収まるのだが…。

向かうべき方向を「渋い柿を漬けておいしい酒は何か」へ再び変えつつ、すっかりヤケになりながらも、食べた感想だけは残しておこう。

 

●ビール ●コアントロー ●赤ワイン

香りほど味は良くない。ビールの苦みがうっすら残るが、渋はそれほど感じない。ただ、うまいもんじゃないことだけは確か。
 

固まりが大きかったのか中まで酒が浸透しきれず渋みが残った。ガリッとする部分があって、そこがもう舌が痺れるほどに渋い。表面もそれほどおいしくない。ガッカリだ。 うーん。まあまあの印象。こんなもんだろ、という想像の範疇をを超えない。そういえばワインもちょっと渋みが残るし、渋い×渋いになってしまったか。
 
●日本酒 ●ウイスキー ●梅酒

柿をつまみに日本酒を飲んでいるイメージと言えば伝わるか。それ以上でも以下でもない。渋はそれほど感じないが、だったらいいのか、という話だ。
 
香りが素晴らしい。ツーンとした感じが消えていて、とてもフルーティーだ。で、味もウイスキーが柿に負けている。これはうまい。これはいい。これからは柿が余ったら全てウイスキーに漬けようか。 梅圧勝。梅の強い味の前に、柿はあっけなく屈した。梅に怒られた、といってもいい。「なんだよオメーよー、勝手に人んちの焼酎に入ってくんなよー」だそうです。思うに独占欲が強いね、アイツら。渋より梅。

 

人はやさぐれるとこんなにも食べ物にキツく当たれるものなのかと、後から自分の書いたメモを読んで驚いた。でも、どれもその通りなのだから仕方がない。かえって普段より表現が的確なくらいだ。

3日でこの程度か…とも、3日でよくもこれだけ…とも思う。もっと薄くスライスしていたら、きっと1日でもよかったのだろう。

なんちゃって渋柿をどうするか

どうやら柿の渋は私の心にのみ残ったようで、なんとなく気が塞ぐ日々。もういい加減に柿のことなんて忘れた生活をしたかった。しかし、冷蔵庫を開ければ18個もの「自称」渋柿がパンパンに詰まっている。

あれらをどうにかしないまま、終わらせるわけにはいかない。現実から目を背けてはいけない。…なんとなくそう思えるまで心の渋が抜け、思考が前向きになってきたところで、柿との闘いをさらに続けることにした。

えー、みたび企画変更のお知らせです。続きましては「おかずとして食べておいしい柿とは」のコーナーです。張り切ってどうぞ。

 

 

 
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