モーターがそこにある

当初の青写真では、モーターに偏芯の重りを付けて回転させれば、ブルブルとなるだろうと考えていた。
しかし、それをどうやって作ろうか。
床に置いたモータをしばらく眺めながら考えた。

眺めていても解決しないので、おなかにあてがってみたり、電源を入れてまわしてみたりしながら考えた。
重りを何とかしなくちゃ。

そもそもなぜかぜをひいたのか。
撮影の前日、引越しのための掃除をしていたら、たくさんほこりを吸い込んで、のどが痛くなり、しかも汗をかいてしまったので、急に寒気がし始めて熱が出たのだ。
急に決まった引越しだ。
今借りている部屋の更新期限ですよという電話が不動産屋からあり、更新費用を払うのがもったいない気がして何も考えずに「退居するので更新しません」といってしまったのだ。
引越し先はまったく決まっていないのに、そんな返事をしてしまった。
どうしよう。
退居期限は目前だ。
それまでに部屋が見つかるだろうか。
もしかすると住む部屋が無くなってしまうのではないだろうか。
熱があると、ついつい悲観的になってしまう。

粘土だ

そうそう、その引越しの片付けをしているときに、なにかで使おうと思っていつか買ったらしい粘土が出てきたのだ。
これを重りにしようと思ったのだった。

ブルブルの元を作る

円盤状にした粘土の、円の中心からすこし外れたところにモータのギアを差込んだ。
これで回転させれば、重心が動くのでブルブルするはずだと思う。

ブルブルした

試しに電源を入れたところ、回転はそれほど速くないがたしかにブルブルした。
アニメーションだとわかりにくいが、これよりももっとちゃんとブルブルしている。

おなかに貼ってみた

予想以上にブルブルしたので、粘土が飛んでいってしまわないうちにおなかに貼ってみた。
本当ならおなかに直接貼るといいのだろうが、ちょっとお見せしたくないようないかにも中年のおなかなので、Tシャツの上にブルブルを貼った。

ちゃんとブルブルだ

あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛。
確かにぶるぶるだ。
激しい振動ではないが、ブルブルはしている。
しかし、バッテリーと一緒になった柄が邪魔だ。
撮影した写真を見ると、ほうきを持ってギターのまねをしている中学生のようだった。
しかしこれはほうきではない。
掃除機だ。