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はっけんの水曜日
 
白と黒、そして赤ランプでパトカーになる

 

人はどうだ

パンダは赤ランプを加えることでパトカーになった。それはひとえに彼らが白と黒でできているからだろう。

ということは白と黒ならば人でもパトカーになりうるのではないか。「?」と思った諸君、もうちょっとだけつきあって下さい。

 

別の公園でみかけたパンダ。こちらもやはりパトカーだった。

 

例えばこの人、まあ僕なわけだが、グレイのセーターにジーパン姿だ。

ここに赤ランプを加えてもやはりパトカーにはなれていない。色だ、色が合わないからだ。

こんなのパトカーじゃない。  

ということで白と黒、そして赤ランプできめてみた。撮影は妻にお願いしている。夫が久しぶりにネクタイを締めたので何をしだすかと思っただろう、答えはこれだ。立場が逆ならば力いっぱい心配しているところだ。

しかし彼女は何も尋ねずに撮影し「これでいいか確認してみて」と平然とモニターを差し出してくれた。

そんな妻の名誉にかけて言おう

「人は(君の夫は)パトカーにはなれない」ようだ。

しかし白と黒にしても、やっぱりパトカーじゃない。

 

 

人はパトカーにはなれなかった。この点だけを判断基準とするのなら、僕はパンダに負けていると素直に認めざるを得ない。

なんとなく結論が出揃ってきたと思う。後は取材中に撮影したアウトテイクス的な写真を公開してお別れとしたい。

 

よく見ると町はパトカーになりそうな色合いのもので溢れていた。しかしどれもあと一歩というところでなりきれずにいるのだ。赤ランプを置く、という行為はこの目に見えない壁を越えさせるためのトリガーだった。

白と黒、そして赤。色的には申し分ないのだがとうていパトカーではない。  
この猫にランプを付けて写真を撮るため、お菓子を買ってきたのだが。 回転ランプを気にしてかすぐに逃げてしまった。
カラーリングはばっちりのはずなのにちがう。

やはり人工物でないとだめか。

 

取材途中、町で白と黒に塗り分けられた車を発見した。ただしパトカーではなく某業種の業務用の車だった。

これは!と思い撮影に向かった。でも勝手に赤ランプを乗っけて写真を撮るわけにも行かず、事務所へ行き名刺を出してお願いした。「すみません、表の車にこれ付けて写真撮っても良いですか!」

「あぁ?何いってんだ、だめだそんなの」

いま半分くらいの強さで書いているが、ようするにすごい剣幕で拒否された。2度目の説明の途中で「わけわかんねえよ」って言われてしまったが、たぶん何度説明してもわけわかってはもらえなかっただろう。

 

心象風景2。

 

結論

白と黒の上に赤ランプをつけるとパトカーになる、の法則は場合によっては成り立つことが分かった。典型的な例でいうとパンダがそうだ。むしろパトカーがパンダに似せて作ってあるようにすら見える。

なにしろ赤ランプの持つ力を見くびっていたために、その魔力に振り回された感じの企画だった。ただそこにあるだけで場の緊張感が5割増しになる道具、それが赤ランプだったのでした。

断られたが付けたら絶対いいパトカーになると思った車。

 

 
 
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