出るか? スピード感
とにかく何回もチャレンジするしかない。 もう一度700円を入れて、タイミングを計る。
サン、ニー、イチ!
さっきよりは多少ましだが、まだまだスピード感からはほど遠い。 もっとダイナミックにフワッとさせなくては。
二度目よりオーバーにフワッとさせてみる。
だいぶアグレッシブな感じになってはきたが、スピード感じゃない。
もっと、こう、フワッとエアリーな毛先を実現させなければ。 事務所での練習を思い出し、四度目の挑戦だ。
なんだこのインチキなアジエンスみたいな写真は? もうこれ以上お金を使う訳にはいかない。 スピード感のあるスピード写真を撮るために3500円も使ってしまった。
とりあえず、写真を持ち帰ろう。
結局、スピード感のあるスピード写真を撮る事は出来なかった。
スピード写真機の性能が良過ぎて、スピード感を許してくれないのだ。フワッとさせようとして手を動かすと、その手の動きを待ってからシャッターを切ってくる。
このまま終わるのは悔しいので、最後に撮った写真を使って「スピード感のある履歴書」を作ってみた。
履歴書の背景にスピード線を入れてみた。
こういう履歴書を提出したら、「お、こいつ、スピード感あるな」と気に入られるかもしれないし、「ふざけるな」と無視されるかもしれない。
僕が人事担当者だったら、多分無視します。
先週まで、「週刊すみましーん」とか言っていたのに、今週は1ページ目の頭に「すみましーん」というロゴがあるだけだ。どういう事だろうか?
先週の公開後、林さんと緊急ミーティングを開き、一旦「週刊すみましーん」というタイトルを降ろす事になったのだ。日々変化を遂げているネット業界である。こちらも臨機応変に対応していかなければならないのだ。
来週はどうするか?
それは僕にも分からない。これから林さんに相談します。
(おわり)