邪鬼を荷棚に忘れるところだった
実家に着いたのは夜9時。ご飯も要らないと言っておいたので、まさに「邪鬼ポールを家のどっかに挟むため」だけの帰省である。親に説明するのもめんどくさい。
そんな愚痴とはうらはらに、実はすごく楽しみだ。早く転倒防止役を担わせたい。背の高い家具はどこだ。天井とのスキマが27cm〜35cmのところはどこだ。
実はどこもサイズに合わなかった。おしまい。
じゃなくて、それじゃ済まされないので、本来の転倒防止用途ではやるべきことではないが、撮影用に空き箱をかませてみた。
離れて見ると石仏みたいだ。要らん風情が漂う。
そもそも邪鬼とは、仏教に関心のない衆生を表し、その中で改心したものがこうやって健気に屋根を支えたり四天王の足載せ台になったりしているのだ。いいやつなのだ。
制作者の欲目だが、転倒防止器具むき出しよりもこういった像をあしらうことにより、心に余裕ができ、生活に潤いが生まれ、家族は皆健康で、仕事もうまくいき、恋愛も成就し、お客には笑われ、子供には泣かれ・・・。
実はもともと棚の上にはダルマが2体並んでいる。変な家。