命令口調
「このいろはがるた」という藤村からのメッセージの中に、「子供よ、来て遊べ、と言つて、父母も一緒に遊んで下さい。」というくだりがある。このカルタは親子で遊ぶ事を想定して作られているのだ。その為、大人が子供に言いつけるような口調で描かれた札があったりする。
例えば、この札。
星まで飛べ、と言っている。棒高跳びで。
「胸を開け」という言葉だけを聞くと、「心を開け」というメンタルな意味合いかと思うだろう。しかし、取り札を見ると文字通り胸を開いている先生と生徒たち。姿勢を良くしろ、という教えだったようだ。
本当に竹から竹の事を習おうとして、冷や汗をかいている子供。律儀過ぎる。
登場人物が2人
次に、2人登場している札たち。
それぞれの役割りを全うして難局を乗り越える2人。持ちつ持たれつ、という状況が見事に描かれているが、2人とも上半身裸なのが気にかかる。
国際結婚であろうか。どういう経緯でこういう状況になったのかは分からない。とにかく、「不思議なご縁」が2人を結びつけたのだ。
顕微鏡で覗いているのはミジンコだろうか。得意気な先生と、それを素直に受け入れる生徒。学校教育の原点がここにある。
何にも知らない方は右側だろうか。
親子? にしては、薬をつけようとしている子供がやけに老けている。
「藤村ひろは歌留多」の世界に慣れてきたところで、次のページでは、取り札から読み札を想像していただきたい。