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土曜ワイド工場
 
メンコ界の巨人に会ってきた

斉藤さん、僕と勝負してください!

最後にどうしても斉藤さんと勝負がしてみたかった。
失礼を承知ながら、挑戦の旨を告げると、斉藤さんはおもむろに着替えを始めた。


対決に先立ち、何やら装束をまとう斉藤さん

何でも、メンコ専用の道着らしい。下の写真を見ておわかりいただけると思うが、利き腕の方の裾が広がっている。ここから空気を送る、つまり追い風を作ってメンコを裏返すのだ。

「ズルイ!」って思ったが、もちろん口には出さない。
いいさ、こっちはパワーで勝負だ。俄然燃えてきたぞ。


まさに達人の装い
広がった裾から追い風を起こすのだ

お互い3枚ずつメンコを持ち、先に3勝した方を勝ちとすることにした。ウォーミングアップから既に勝負師のオーラを放つ斉藤さん。その構えは、前後に開いた片足をメンコの真横に置き、空気を逃がさないようにするという、理に適ったものだ。
パワーではなく、いかにメンコに対して空気を送りこむかということに重点を置いている。

腕は天空高く突き上げて一直線に振り下ろす。カッコいい!


その構えからして、超高校級

腕の振りの鋭さは、とても50歳を超えているとは思えない

対して、僕はメンコに対してやや離れた位置に立ち、力まかせに地面に叩きつけるストロングスタイルだ(そんなスタイルがあるのか知らないが)。

勝負は、何といきなり僕の2連勝という思わぬ展開となった。
メンコが立て続けにひっくり返る興奮、そしてひっくり返ったメンコをもらえるという喜び、やっぱりメンコは楽しい! 今どきの子供たちよ、なぜメンコをやらない?


楽しくてしょうがない

肩が抜けるほどに、うりゃ〜

と、調子に乗っていたのも束の間、闘争心に火がついた斉藤さんにあっという間に3連敗し、完敗。
2連勝の後の3連敗、いつだったかの日本シリーズみたいな結果に終わって悔しいが、同時にすがすがしいものも心に残る。

ひさしぶりに「男の勝負」というやつを堪能した。

20年ぶりのメンコ体験は最高にエキサイティングだった。

斉藤さんのコレクションの中には、僕が当時遊んでいたドラゴンボールや聖闘士 星矢のメンコも多数あって、その懐かしさに感動した。そして、そのメンコが凄くほしかった。でもくださいとは、どうしても言えなかった。斉藤さんにとっての宝物を僕なんかがおいそれといただく訳にはいくまい。

それにしても何故今の子供はメンコをやらないのだろう?
ゲームもポケモンもいいけど、太陽の下思いっきりメンコをして、取ったり取られたり、凄く健康的であり、社会性も磨かれる最高の遊びだと思うんですけどねぇ…



 
 
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