デイリーポータルZロゴ
このサイトについて


フェティッシュの火曜日
 
酢醤油で食べるかき氷、酢だまり氷食べ歩き

最後は駄菓子屋

酢だまり氷食べ歩きツアー、最後に訪れたのは、駄菓子屋の一竜(いちりゅう)というお店。

山辺町観光協会に教えていただいた住所の場所に来てみたのだが、とても駄菓子屋とは思えない構えの店である。駄菓子屋というよりはスナックみたいだ。これはスナック菓子と飲み屋のスナックがかかったダジャレである。


“飲み放題3500円ポッキリ”みたいな店構え。

さてここは本当に駄菓子屋で、そして酢だまり氷を出す店なのだろうか。

本当にスナックだったら、それはそれでまあいい。そろそろかき氷よりも酒が飲みたい時間帯だし。

 

新時代の駄菓子屋

カランコロンと扉を開けると、店内は外観のイメージよりも全然明るく、確かに駄菓子が並んでいる。私が子供の頃に通っていた駄菓子屋に比べてだいぶハイカラな店だ。


フローリングの駄菓子屋なんて初めてだ。

しかしこれは大人のための駄菓子バーかもしれないぞと警戒して店内を見回すと、地元の中学生が酒のつまみとしてではなく、空きっ腹を満たすおやつとして駄菓子を食い散らかしていた。なるほどここは駄菓子屋だ。自分が子供だったらここで毎日たむろしたい。たまり場で酢だまりだ。


子供多数。確かに駄菓子屋だ。 あんたら、食い過ぎ。

 

酢だまりインタビュー

ここのお店は駄菓子屋だけに、酢だまり氷の値段も駄菓子価格の100円ポッキリ。吉田カメラではいろいろ味の冒険をしたが、ここでは初心に返っていちごの酢だまりを注文して、食べながらお話を聞いてみよう。


100円という値段が嬉しい。

玉置 このお店はいつオープンしたんですか?
店員 6年前。今は何件か酢だまりが食べられる店があるけれど、それまで山辺で酢だまりを出す店は、途絶えていたの。
玉置 え、そうなんですか。
店員 昔はここのすぐ近くに、「なっとやさん」って呼ばれていた駄菓子屋さんがあったんだけれど、道路拡張でお店を畳んじゃって。
玉置 あらあら。

酢だまり氷、100円。カウンターのある駄菓子屋。

店員 私達が子供の頃に当たり前に食べていた味が食べられなくなるのって悲しいじゃない。だからその店を経営していた人にいろいろ教えてもらって、この店を始めたの。
玉置 そして山辺町に酢だまり氷が復活したんですね。
店員

そう。酢だまりのビンに杉の葉っぱを刺すのも、そのなっとやさんが、酢だまりが一気に出ないようにやっていたのがオリジナルよ。

玉置 殺菌効果があるとかないとか。
店員 まあ多少はあると思うけれど、もともと酢だし。かけやすいからだと思うよ。あと見た目がいいじゃない。
玉置 見た目は大事ですね。確かにこの杉の葉っぱがないと、酢だまりっていう感じがしないです。

いろいろな人の話を聞くのがだんだんおもしろくなってきた。

玉置 復活した酢だまりは子供達に人気ですか?
店員 それがあんまり人気なくて。もちろんおいしいって食べる子供もいるんだけれど、地元で育った大人の方が喜んで食べるわね。
玉置 まあ子供にはわかりづらい味かも。スイーツ界の珍味は。
店員 今の子供は普通のかき氷の方がいいみたいね。部活帰りとかだと、どんどん焼きみたいにお腹にたまるものを食べたがるし。でも酢だまり氷は続けるわよ。

どんどん焼き。具が魚肉ソーセージとノリだけのお好み焼きみたいな食べ物。100円。山形ではメジャーなおやつ。

なんと今山辺で酢だまり氷を食べられるのは、この店のおかげだったとは。

どの店の酢だまり氷もおいしくておもしろかったけれど、お店の人にいろいろな話を聞けたのが一番たのしかった。


一竜
住所:山辺町大字山辺2984
電話番号:023-664-7477
営業時間:12時〜18時30分頃
※すだまり氷は夏季限定販売

悪かったよ渋谷君

渋谷くんが力説していた通り、酢だまり氷はさっぱりしておいしい食べ物だった。これは一言謝らねばと今電話をしてみたら、「酢だまり氷? なんか聞いたことはあるなあ。なんだっけ?」といわれてしまった。

「かき氷に酢醤油かけて食べるとうまいんだよ!」と力説するも、どうにも信じてもらえない。どうやらあれから10数年が経って、酢だまりに関する立場が入れ替わったようだ。

なんだそりゃ。

ココア氷。これに酢だまりをかけようとしたら、お店の人に止められた。

 
 
関連記事
かなりレトロなカキ氷屋さん
未知のローカルデザート「カンロ」を食べに行く
ご当地限定マックを求めて

 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲トップに戻る バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.