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土曜ワイド工場
 
電車の中でもテンピュール

電ピュールいっしょにぶらり旅、スタート

この日は早々と仕事を切り上げ、新宿駅へ向かった。他の電車でも電ピュールを使ってみたかったからだ。

しかし、これを装着できるのは手すりが付いているタイプの電車のみ。最初に目をつけた山手線は残念ながら「壁」タイプだった。山手線でぐるぐる東京一週しながら、ぐっすり眠ってやろうと考えていたのでとても残念。


山手線でのんびり熟睡しようと思っていたけど
端っこは「壁」タイプ。う〜ん残念

環状線である山手線なら知らない土地まで連れて行かれることはないから、熟睡してしまっても安心と思ったのだが仕方ない。
特に目的地は決めずに、棒の手すりがある電車に乗り込んで、電ピュールを使ってみることにしよう。例え熟睡して遠くの駅まで行ってしまったとしても、そこからまた違う電車に乗って気ままに旅を楽しむことにする。


埼玉県民の足、埼京線は
「手すりタイプ」だ。早速装着

「やわらか」をひとり堪能するのは優越感があります

 

埼京線の寝心地はどうだろう?

新宿から乗り込んだのは埼京線。始発電車が出ているので、確実に端っこの席が確保できる。その上「手すりタイプ」だ。早速、電ピュールをセットして、頭を沈める。やはり気持ちいい。気持ちいいのだが、先ほどの感触と比べるとやや違和感が。頭の位置がやや低いのだ。そうか、手すりの位置が違うからだ。
さらに、埼京線は池袋を過ぎたあたりから混雑しだし、周囲の視線もやや気になった。先ほどのように電車と一体になるような感覚は味わえなかったので、埼京線と電ピュールの相性は今ひとつといえよう。

・・・とはいえ、気づいたら終点の大宮だったのだけれど(熟睡してんじゃん!)。

ちなみに大宮にはエキュートという施設があり、おいしそうな惣菜の店やおしゃれなレストランが駅の構内に建ち並んでいた。


買い物客で賑わう大宮エキュート
おいしそうな惣菜がいっぱい
おしゃれなパスタ屋で腹ごしらえ
おみやげのドイツビールも購入

熟睡から覚めたばかりの、ほどよくボーっとした頭でエキュートをぶらぶら。飯を食って、ビール飲んで、おみやげを買う。ちょっとした観光気分。起きぬけの脳味噌のせいか、こんな地味な旅がすごく楽しく感じられる。これはいい。

 

グリーン席なんかより全然いいよ

ご満悦になった僕はそのままふらふらと次の電車を探す。
次に目をつけた宇都宮線は残念ながら「壁」タイプだったが、向かいのホームの高崎線が「手すり」タイプだったので乗車。運よく端っこの席も確保できた。


本日3本目の電車、高崎線
本日3回目の安眠タイム

高崎線の車内は乗客もまばらでとても静かだった。さらに、頭の位置がこれまで乗った電車の中では最もしっくりきて、快適度は高い。これはまた終点まで行っちまうかな〜っと思っていたら、案の定そうなった。途中で覚醒しても、気持ちいいので降りる気にならないのだ。

結局「かごはら」という聞いたこともない駅に降りたとき周囲はすっかり薄暗くなっていた。


埼玉県北部の町「かごはら」で降りた

ちなみに高崎線には「グリーン席」が付いていたのだけれど、
今のぼくにとっては、ちょっとリクライニングできるくらいで快適とか、ちゃんちゃらおかしい。

絶対に「電ピュール席」の方が快適だ。それだけは声を大にして言いたい。


グリーン席のリクライニングに妙な対抗意識が芽生えた

電車という最高の揺りかごとテンピュールがコラボしたその威力たるや想像を超えるものがあり、心地いい眠りを堪能しっぱなしの贅沢な一日だった。

電車の中で安全に眠ることができるのは日本くらいだなんて聞いたことがあるけど、その平和に感謝したい。

駅のベンチでも使ってみたけどイマイチ。やはりあの心地よさは電車の揺れがあってこそのものなんだなあ

ちなみに今回試した各路線と電ピュールの相性を以下にまとめてみた。(評価の説得力を裏付ける材料として、それぞれの路線の乗車時間に対し、どれくらい快眠できたかをグラフ化したのでご覧いただきたい。)


<東京メトロ南北線(埼玉高速鉄道直通)>
評価/★★★★ (満点は★5つ)
電ピュールを介したメトロならではの走行音(こもった感じの音響効果があります)が耳に心地いい。常に一定の揺れをキープして、大きく体が振られたりすることが少ないのも好ポイント。惜しむらくは頭の位置が低く、ややしっくりこないところがマイナスか。

<JR埼京線>
評価/★★ (満点は★5つ)
揺れが結構激しく、音もうるさいので熟睡モードに入るまでにやや時間がかかる。また、常に混雑率が高く、車内のイライラしたムードに対し、電ピュール被験者のくつろぎっぷりはかなりの温度差があるので、何だか申し訳ないような気持ちになってしまう。
<JR高崎線>
評価/★★★★ (満点は★5つ)
揺れの心地よさに関してはメトロの方に軍配が上がるものの、頭の位置が、あつらえたようにしっくりくる(乗せた瞬間「来た!」と思った)。高崎方面に向かう電車は、車内もほどよく閑散としていて心情的にもリラックスできる。
※快眠時間はまあ、だいたいこんな感じだったかな、というニュアンス的なものです

上記のように今回試した3つの路線はいずれも、最高金賞である5つ星に届かなかった。また、もっと色々な路線で試せば、相対的評価も変わってくるかもしれない。そういう意味では今回4つ星の好評価を得た南北線や高崎線であってもうかうかしていられないだろう。

日本でただひとりの電ピュールマイスターとして、これからもこの検証は続けていきたいと思う。


 
 
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