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ロマンの木曜日
 
「役に立たない機械を作る」という宿題

早稲田大学の中谷研究室へ

それから約二週間後、授業で高評価をとった学生の方たちが、「役に立たない機械」を手に再び先生の元に集まったとのこと。さっそく研究室にお邪魔した。


早稲田大学理工学部。アカデミックな雰囲気に緊張する。

 
迎えてくれたのは、中谷先生と7人の生徒のみなさんたち。今日はよろしくお願いします。

中谷先生(手前)と生徒さんたち


この風変わりな宿題の意図は?

そもそも、先生はどんな意図でこの不思議な宿題を出したんだろう?そんな疑問に、中谷先生は丁寧に答えてくれた。この授業は「設計演習A」といって、建築学科の一年生にものづくりの周辺を教えるものだという。

「授業では、日常的なものがぜんぜん違うものに見える瞬間を自分で作って驚く、というような作業をしてもらいました」と中谷先生。

「で、今回のテーマは難しくて、だって機械というのは役に立つものです。建築もそう。逆にいえば、役に立たない機械を見つけられれば、役に立つ機械や建築も見出せるだろう、と。」

・・なんだか難しい話になってきました。

「しかもこれは、美の問題でもあります。」


先生の用意したスライド


「美とは目的なき合目的性である、というカントの言葉があります。矛盾しているようですが、よく考えると美というものをよく言い表している。役に立たない(=目的なき)機械(=合目的性)はこれに通じるものがあります。」

のんきに面白い機械を見に来たぐらいの甘い考えだったが、そうか、ここは大学だったんだ。


いよいよ作品に対面

先生の講義はこの後も続き、とくに「自滅する機械」のお話がとても面白かったのだが、すみません、ここでは割愛します。

次のページから、いよいよ役に立たない機械たちをご紹介します。


 

 
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