●ミッション2:楽しいお買い物
ショッピングモールに集合した今回の試み、続いては藤原くんにお金を渡し、買い物をしてもらおうと思う。
一万円札を渡し、買い物ミッションを与える。向かった売り場は……。
ランジェリーゾーンである。特に細かい注文はせず、自分で選んで女性用のランジェリーを買ってくる、というミッションを出したのだ。
念のために書いておくと、取材中何度も「記事にすることとか気にしないで、嫌なことは嫌って言っていいからな」と伝えていた今回の取材。しかし、このミッションを聞いたときの反応は、二つ返事で「はい」。
だ、大丈夫か。
何かを恥ずかしいことだと感じる心の回路があるのかどうか、心配になってくる反応。ふらふらとゾーンに向かっていく藤原くん。
なんでもいいからサッと選んでサッと帰ってくるかと思っていたが、売り場をうろうろと歩いているではないか。商品を見定め、時に手に取ってすらいる。
やばいよやばいよ。こっちの心拍数の方が上がってきている気がする。
淡々と帰ってきた藤原くん。待ち受けていた自分の方がエキサイティングな感じになってしまっている。もしかしたら藤原はすごい男なのかもしれない。
いや、やはりこのミッションは男性にとって相当緊張感のあるものだったはずだ。ポーカーフェイスの裏に隠されつつも、実のところ心拍数は上がっているのではないか。
このミッション中の最高心拍数は101。
座った状態の平静時の72と比べると確かに上がってはいる。ただ、自分でテストしたからわかるのだが、座った状態から立ち、さらに歩くとこれくらいの心拍数にまでは普通にあがるのだ。
そう考えると、ランジェリーには影響されていないと見るのがこの数値の評価になると思う。やっぱりすごいかもしれない。
一段落しておつりを受け取ると、一万円渡したにも関わらず妙に少ない。レシートを見てみると…。
購入金額は7654円。なんだこれ、ずいぶん高いな!
おまけによくよく見ると「コーディネイト」って書いてある。なんだそれ、なにをどうコーディネイトしてるんだ。その度胸はなんなんだ。
さすがにその場で品物を取り出すのは憚られたので、家に帰ってから包みを開けた。藤原セレクションの登場です。
オレンジのビビッドな色づかいが印象的な上下セット。あとから会ったときに「ああいうのが好きなの?」と藤原くんに聞くと、「僕がこれを選んだんじゃなくて、このブラとパンティーが僕を選んだって感じです」といったような返事が返ってきた。
何言ってんだ。
なぜか負けた気がするセカンドミッション。このままじゃだめだ。次のミッションでは彼だけではなく、我々も身を挺していかなければならない。