やはり通行止めを伝える看板が
もしあの峠を越えられたなら、吉ヶ沢という場所に辿りつくはずだった。かつては塩の道を往来する人々のための宿があった集落なのだという。
黒森峠、通行不能の案内
かまわず右折して、吉ヶ沢方面へ。
で、2キロ先まで行ってみると、
誰とも会わない
ゆるやかなのぼりを進む。先ほどのUターン命令の箇所にあった標識によれば峠まで約4キロ。砂利道の4キロは長い。と思ってはしっていたら、
まさかの分かれ道
うしなわれた道案内
ここまできて道が分岐するとは思わなんだ。手もとに詳細な地図がない。カーナビをみても数キロ前から車は荒野を突っ切っている。 破れた道案内にはなにやら文字と、その下に描かれているのはおそらく矢印のしっぽ。かつてあった矢印は左側をさしていたのだろう。 であれば、道案内が通行止めの方向を示しているとも思えないので、たぶん右が峠だろうと推測する。
風が気持ちいいので車をおりてここから歩きます
さて、偉そうに「峠は右方向だ」などと書いたが、写真のぼくは、じつはこのあと左方向に向かう。そうしてずいぶん歩いてから、「峠は右だ」というさきほどの結論に辿りつき、慌てて引き返したのだ。
ときに立ちどまる
そして峠へと
やっとこ
最後の標識が
空がひろくなった気がした。あの山道を越えることができれば、ここに辿りついたのだ。妙に感慨深い。
峠からのこの風景のどこかに県道30号線がつづいてます
もしかして、踏み込んでみたらちょっとは道っぽいんじゃないの? と思い、ためしに通行止めの柵の向こうに行ってみたのだが、
はい、ロスト
というわけで、県道30号線の通行不能区間は、冬とか関係なく容赦ない通行不能っぷりだった。それでもむかしは山を越えるための実用的な道だったわけだから、まったくすごい話だ。RPGじゃないんだから。 それでも、ずっと気になっていた道を自分で確かめることができたし、町の歴史にも少しだけ触れることができた。なにより空がきれいだったので、よい休日になりました。