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土曜ワイド工場
 
道のない県道に挑む

通行不能区間に挑む

というわけで週末を待ち、ふたたび通行止めの場所までやってきた。


 

車で進めるのはここまで。これ以上はどうやっても無理のようだ。ウグイスやカッコウが盛んに鳴いている。
目のまえにあるのは山。この山を越える道こそが県道30号線の通行不能区間、かつての街道だ。道らしい道はみえないが、いざ分け入ってみれば、名残がみつかるかもしれない。


本気で熊よけの鈴を準備
いくか

車で進めるのはここまで。これ以上はどうやっても無理のようだ。ウグイスやカッコウが盛んに鳴いている。
目のまえにあるのは山。この山を越える道こそが県道30号線の通行不能区間、かつての街道だ。道らしい道はみえないが、いざ分け入ってみれば、名残がみつかるかもしれない。


で?


のっけからわからない。
いきなり途方に暮れるが、「道はある!」という目で行く先を凝視すると、


みえた(ぼくには)


道は2つに分かれている(気がする)。山の中へと右に折れる道と、川に沿った道だ。さてどうする?
ここでふたたび『葛巻町誌』によれば、この黒森峠は通称「四十八曲り」と呼ばれた場所であり、急な斜面を、角度のきついカーブを繰り返しながらのぼっていったということ。それなら谷間をゆく川沿いへではなく、右へと曲がるのが正解のはず。


というわけで緑の中へ。なんとなく道がある(と思う)


県道の上に障害物
痛い
不安で仕方がない
ほんと不安で仕方がない

とりあえず相対的に道らしい(草木の背丈が低い)部分をさぐりながら歩き進める。で、ふと足もとをみて気づいたのだが、


右足のすぐ横、斜面


斜面ギリギリのところを歩いていた。危ない。
ろくに中身のないリュックを背負ってきたのは、万が一、転げ落ちたときのクッションになるかもと考えてのことだったのだが、いきなり役に立ってしまう(立たないかもしれないが)ところだった。


県道30号線(たぶん)にいます


三脚立てられる場所もあまりないのだが、たまに人間の姿を入れておいたほうが雰囲気がわかりやすいと思い、場所を選んでときどき撮影を試みた。

で、上の写真だが、どうだろうか。改めてみると、けっこう道っぽい。

 

のぼってはみるものの


眼下の車が小さくなり心細い


けっこう歩いたつもりでも、たぶん距離にするとほとんどない。
車がみえなくなって少し経ったとき、まっすぐ進んできていた道が途切れた。カーブだなと、山側を向いたのだが、


ん? 途切れてる!?


道がみあたらない。右はくだっていく斜面、左は踏み込みようのない林。目の前には、ちょっとした高さの土の壁が。


足もとを流れる水


足もとをみると、水が流れている。もしかすると目の前にある段差は、雨などで小さな土砂崩れが起きた箇所なのかもしれない。それで道が途切れたような状態になったのではないか。
なんにせよ、のぼれない高さではないので、はいあがることに。


そりゃ


そうしたら、ずいぶんとひらけた場所にたどりついた。


これまでに比べれば2車線といっていい広さ


このスペースにたどりついたことで、自分は古い道を歩けている可能性が高いと感じる。もしかして、このままのぼっていけば本当に峠に辿りつけるのではないだろうか?
みると左方向へ道筋がつづいている。さきほどまで歩いていたルートと並行しており、四十八曲りの名にふさわしい(知ったふう)。


道がつづいている
進む

あらたな道に入り、最初のうちは順調だった。だがそのうち、


生い茂りすぎ


草木の背丈がどんどん高くなってくる。足もとがほとんどみえない。どうやら季節をまちがえたか。それでもなんとか前進を試みたが、


道、ロスト


これ以上は無理と判断。もうどこにも道はみえない。

 

峠、越えられず


ダメでした


結局、県道の入口側から峠に辿りつくことは叶わなかった。それでも、かつてここが道だった名残を、わずかではあるが感じられたのが収穫だった。もしまたチャレンジするのなら、緑が少ない時期がいい。あと、できることなら2人以上で。

さて、これでおしまいというのもさびしいので、せめて最後に、通行不能区間の向こう側から峠の終点にせまってみようと考え、ふたたび車をはしらせた。
かつて「塩の道」最大の難所を越えた人々がみた景色とは、いかなるものなのか?


挑戦の終わりにと、逆方向から峠の終点をめざした


 

 
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