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ひらめきの月曜日
 
子持ち昆布に憧れて
な、なんですってー!(これが受け渡し場面)

先月、当サイト編集部の工藤さんが「稚内から東京へバスで帰る」という過酷なリアルタイム更新をしたのは、皆さんの記憶に新しいことと思う。

その旅の様子をハラハラしながら読んだのは私だけではあるまい。特に、青森から東京までのぎゅうぎゅう詰めの深夜バスのくだりなんて、想像しただけで尻が痛くなるほどだった。

後日、そんなこちらの心配をよそに「楽しかったです」とさわやかに語る工藤さんから、写真貼付で次のような内容のメールが届き、腰を抜かすほど驚かされた。

「宗谷岬に現れた読者の方がどばっと大量の日高昆布を高瀬さんに、と持ってきてくれました。乾物屋で売っている一番でかい袋のです。こちら、ご自宅宛にお送りしようと思うのですが、よろしいでしょうか?」

(text by 高瀬克子



本当にありがとうございます

ライター冥利に尽きるとは、まさにこのこと。とにかく嬉しくて嬉しくて、読者の方のメールアドレスを教えてもらい、さっそくお礼のメールを出した。


無事に受け取りましたよ! それにしてもデカイ! どうやって食べようかなー。

嬉しい。本当に嬉しい。

と同時に、恐縮してしまったのも事実だ。やはりタダで貰うわけにはいかないだろう。ここはひとつ、頂いた昆布を使って記事を書くことで読者の方の思いに報いなければ、と思う。

しかし、なんたってこの量だ。一度にドーンとたくさん昆布を使う料理はないものか、なにかいい方法は…と考え続けて約1ヶ月。結局「これぞ!」というアイデアは思い浮かびませんでした。ごめんなさい。

そして私は「量から質」へと考え方を改めた。その途端、「あ、あれを作ってみよう」と思い付いたのが「子持ち昆布」だったというわけだ。


本当に大きくて立派なんです。 まずは一晩水に入れて戻します。

子持ち昆布とは、ニシンが海中で昆布に産卵したもので「高級つまみ」の代表格である。私にとっては、ごくたまーに行く寿司屋でしか食べられない存在だ。

本物の子持ち昆布など作れるハズもないが、似たような物なら出来るかもしれない。せっかくこんなに昆布がたくさんあるのだ。やってみる価値はあるだろう。

まずはタラコで

「子持ち」というからには、別にニシンの卵(数の子)じゃなくても構わないんじゃないか? という思いから、最初に選択したのはタラコだ。

 


子、という意味では合っている。 ふやけて大きくなった昆布をカット。

ゼラチンを煮溶かして冷ましたら、 タラコと混ぜます。

それを昆布に塗りまして… どうですか。子持ち昆布と言えませんか。

「違うだろ!」という読者の皆さんからのツッコミが聞こえる。幻聴だろうか。

いや、でもゼラチンが固まって昆布にピターッと張り付いたとしたら、どうですか? それは「人工的子持ち昆布」と呼んでもいいんじゃないですか?


ラップで包んだら、冷蔵庫で冷やしましょう。

やっぱりプチプチが必要だ

ご安心ください。タラコだけで済ますつもりはありません。ちゃんと買ってきましたよ、数の子を。

子持ち昆布の魅力は、やはりあのプチプチでしょう。


まずは塩抜きしなくては。 それをほぐします。

ほぐす、と簡単に書いたが、これがほぐれない。卵同士がピターッと固く密着していて、どう頑張ってもバラけてくれないのだ。

包丁を使うことも考えが、それだとせっかくのプチプチが潰れてしまう。結局、5ミリ程度の大きさにしか細かく出来なかった。


ま、こんなもんで許してやろう。 まずは数の子を敷いてから、

昆布、数の子と重ねていきます。 三重にしてみました。


こんな風に重ねるなんて、ニシンには出来ない芸当だろう。どうだ。これが人間の知恵だ(浅はかな)。

こちらも冷蔵庫に入れ、あとは固まるのを待つばかり。


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