「着陸する飛行機が頭のすぐ上を飛ぶ場所があるらしいですよ」
と、だいぶ前に教えてくれたのは、このサイトのウェブマスターである林さん。そんな楽しそうな情報を聞いて、ずっと行きたいと思っていた大阪国際空港(伊丹空港)近くのその場所は、その後「ちょっと見てきて」でも話題になるなど飛行機好きには有名な撮影ポイントらしく、調べると行きかたもすぐに分かりました。
ちょうど用事があって、伊丹空港経由で大阪へ行くことになったので、見に行ってみました。
(萩原 雅紀)
旅客機好きのパラダイス
大阪での用事を終えた帰り、阪急の梅田駅から電車に乗って伊丹空港へ向かいます。まっすぐ帰るなら蛍池駅で空港行きのモノレールに乗り換えですが、ちょっと寄り道するために蛍池駅から3つ手前の曽根駅で下車。ここから西に向かって20分ほど歩きます。
住宅街を抜け、高速道路の下をくぐると空港の防音壁が見えてきて、その防音壁の手前を空港の敷地に沿うように川が流れています。そしてこの川沿いの砂利道を歩いて行くと、先のほうに大勢の人が集まっているのが見えてきました。
人々が集まっている場所までやってきて横を見ると、目の前にこんな光景がひろがっていました。
僕たちが立っているすぐ目と鼻の先から滑走路が始まり、それは遠すぎて見えないくらい先まで伸びていました。
中央のすこし右に見える櫓の上に並んだ照明は誘導灯と言って、夜間の離着陸時などに、飛行機の操縦士に滑走路の位置を光で知らせるものです。この誘導灯は滑走路の中心に位置しているので、着陸してくる飛行機はちょうどこの真上を飛んでくることになります。
空港の広さに驚いていたとそのとき、にわかに周囲が騒がしくなり、背後から轟音が迫ってきました。
着陸態勢に入っていた旅客機は僕らの背後から静かに近づいてきて、ある距離から轟音とともに急に姿を現し、想像していたよりも低い高度、例えるならボールを投げたら当たるんじゃないか、というような高さを、一瞬で通り過ぎていきました。心の準備をしていなかったので度肝を抜かれました。
こんなすごいところがあったなんて。いまの不意打ちでいきなり魅了され、気がついたときには次に着陸してくる飛行機を心待ちにしていました。