ふつうにおいしいよ

結論から言うと、失神はしなかった。が、おいしい。本当においしかったのだ。

しかし、かりんとうや うな重を超えるおいしさにはなっていない気もする。過剰なおいしさがなくなり、どこか地味なおいしさに着地してしまった。

そしてもうひとつ。普通のかりんとうは糖衣がきちんと乾いているのに対し、うなぎのタレのかりんとうはタレが乾ききらずベトベトしてしまっているのだ。

なんでだ！　甘い衣以外はまといたくないというのか、かりんとうよ。

きんぴらごぼう版は作れているのに

世の中にはきんぴらごぼうのかりんとう、というものがある。かりんとう専門店である「日本橋錦豊琳」というお店の名物商品だ。今回、参考に食べてみたのだが、こちらはもちろんちゃんと乾いている。

作ろうと思えばおかず系のかりんとうもちゃんと作れるはずなのだ。

いや、こちらのお店も本当はうなぎのタレでかりんとうを作りたかったけど乾かなかったから仕方なくきんぴらごぼうのを作っているんじゃなかろうか。

もうひとつの大発見

そして、もうひとつ、読者の皆さまにお伝えしなければならないことがある。

それは、砂糖をからめる前のかりんとうの異様なおいしさだ。

実は今回、製作にはかなりの失敗を重ねた。タレがかわかないのはもちろん、なかなかカリッと揚がらなかったりタレが焦げてしまったり。

生地自体も砂糖の量を調整したり油を入れたり色々試してみたのだが、揚げた生地に関してはどんな配分でも大抵おいしかったのだ。

「油と小麦粉って合うのよねえ」といつか母が言っていたのを思い出した。ずいぶんざっくりしたこと言ってんな、と当時は思ったのだが、まったくその通りだ。

過剰なおいしさには限界があった

うな重は、すごくおいしい。かりんとうも、すごくおいしい。しかし、うなぎのタレをからませたかりんとうは、なんだか「普通においし」かった。

なんでだろう。なぜ、「すごくすごくおいしい」にならなかったのか。合わないものを合わせてしまったわけでもないし、ちょっと本気で分からない。

そうして気づいたのは、うな重とかりんとうはおいしさが限界のところまできているんじゃないか、ということだ。おいしさのレベルが天井にタッチしちゃってるから、どうしてももうこれ以上おいしくなれないのだ。

無理やり納得しつつ、最後に今回のかりんとう作りの手順をまとめました。簡単に作れるのでよかったらお試しください。やっぱりカロリーは相当高そうです！