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フェティッシュの火曜日
 
タキシードハイキング

下山しながら気づきました

正直に言うと、タキシードを着てハイキングに行けば場違いで可笑しいだろうと思っていたのも確かだ。しかしこの目論見は失敗に終わった。テレビやCMなどで見慣れたのか、タキシードは自然の中でもそれほど場違いではなかったのだ。

そう、ここで失敗は成功に転じた。かっこいいのだ。誰が(※)だって?もちろん私だ。私が今、かっこいいのだ。

※書いてるときに幻聴がしました


鮮やかな緑と正装がうっかりマッチング。優雅すぎたこの瞬間、私は思わず小便をもらしたのである。

つり橋での紳士な私。ファンレターは当サイト編集部まで。

つり橋のゆれをワインで計るという優雅な私…裸一貫馬一頭で北海道から出てきた私が、故郷に錦を飾った瞬間である

緑の向こうにはぼやけた影…いや、ジェントルマン私だ!なんてかっこいいんだろう、なんてかっこいいんだろう

ワインは登山により2mm程度こぼれていた。まだまだ紳士失格。

意外と満足しました

写真が優雅すぎて税務署が家に来るかもしれない、とドキドキしている今である。それほど大成功に終わったハイキングだった。

タキシードは元来室内着であるというが、そこまで歩きにくいということもない。登山靴でなく革靴であることも、ぬかるみに注意さえすれば、一日歩く営業マンほどの苦労でない。

ただ紳士であることはなかなかに難しい。時折険しい山道に足をとられ、ワインをこぼしてしまった。登る前に引いた線から2mm程度下がっていたので、完全な紳士(※)とは言えなかったようだ。

※「ワインを一滴もこぼさずハイキングできたら紳士」というルールは筆者の中にだけ存在するものです


それにしてもかっこよかったなー(おれが)。

『無題』(Shigeto Ohkita, 2008, Japan)

ということでこんな風に僕(やっと僕に戻れました)の初タキシードハイキングが終わったのだが、で、肝心なとこどうなの?タキシードハイキングってやっぱイイの?と気になってる紳士諸君もいることだと思う。イギリス辺りに。

いいところ…とにかく紳士
悪いところ…目立つ、笑われる、暑い、革靴のため疲れや足の痛みが、等

いいところといえば紳士たりうるところくらいで、ナベツネに怒られてる巨人軍の選手たちには寝込みを襲ってタキシードを体にホッチキスで留めてやろうかと思うくらいオススメしたいが、普通の人はとにかく指をさされるのでやめておいてもいいかもしれない。

ただその際はクラーク校長が札幌農学校の規則を作るときに「ただ紳士たれで十分」と言ったことも頭に入れたうえで決断を下していただきたい。

僕は多分着ないけれど皆さんにはできるだけ紳士であってほしいと思う。



 
 
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