この茶色っぽい鱗の部分が鉄(正確には硫化鉄)でできている。その証拠に鱗の茶色いのはなんと錆びているのだ。この貝の住む深海では酸素量が少ないために錆びないのだが、上に持ってくるとやっぱり鉄なので錆びてしまうのだとか。言われてみればあたりまえのことなのだが、生き物が錆びるっていうこと自体が受け入れがたい。
難しいことはよくわからないが、この鉄の鱗は体内のバクテリアと海水の中の鉄分とで貝自身が作り出すものらしい。つまりミノムシのように外にある物を防衛のためにまとったのではないのだ。
現在地上にいるスケーリーフットは残念ながら標本のみ。いくら鉄の鱗で丈夫そうに見えても、深海で生きる彼らを地上で飼育するのは難しいのだろう。 |