泥棒をカジュアルダウンする

これまでさんざん泥棒だ泥棒だといってきたのは以下のような条件がそろった状態だと思う。

（１）唐草模様の風呂敷を背負っている
（２）口の周りを丸く囲むようにヒゲが生えている
（３）ほっかむりを鼻の下で結んでいる
（４）猫背でキョロキョロしている
（５）大人の男性である

この状態を泥棒のフォーマルとしよう。

ここから少しずつ要素をそぎ落としていくことはできないだろうか。15時間煮込んだシチューを作るのはレストランなら可能だが一般家庭では無理だろう。シチューを短時間でも美味しく作れるレシピがあるように、泥棒も手軽に一般家庭で楽しむ方法があるはずだ。

まずは、唐草模様の風呂敷だ。手に入らなくもない品だけれど、近頃ではおいそれと家庭にあるようなものじゃない。

外してみよう。

泥棒である。全然問題なく泥棒だ。

唐草模様はそれだけで泥棒をほうふつさせる泥棒のマストアイテムではあるが、意外にもなくても泥棒としてはいけることが分かった。

次はヒゲ。これが女性が泥棒になる大きな弊害になっているともいえる。ヒゲも何とかそぎ落とせないだろうか。

宴会のどじょうすくいの人、といわれてしまえばそれまでだが猫背とコソコソした動きを持ってするとギリギリ泥棒としてのラインを保てているんじゃないか。

風呂敷とヒゲなしでもいける。これでかなり泥棒になるためのハードルが下がったぞ。

調子に乗ってほっかむりを外してみた。

予想はしていたが、泥棒ではない。誰だろう、この人は。

女性はどうか

というわけで、唐草模様の風呂敷と口のまわりのヒゲがなくても、ほっかむりさえあればギリギリ泥棒になれることがわかった。ただし、これは男性の場合だ。

女性はどうだろう。

なんだなんだ、案ずるより産むが易しとはまさにこのことだ。思いのほかちゃんと泥棒である。

ただ、女性の場合、男性以上に動きが重要になってくるようだ。

私が試してみた限りでいうと、

・猫背
・前にたらした手
・きょろきょろ

を徹底するとそれらしくなることが分かった。

あ！　これを読んでいるあなた、だんだん泥棒になりたくなってきたのではないですか？