本来、利き酒は口にふくむだけで飲まないらしいのだが、僕は飲んで味の違いを感じる事にした。飲んでこそ分かる味の違いがあると踏んだのだ。
与えられた時間は15分。その間に6種類のお酒を5回くらいずつ飲んでみた。しかし、飲めば飲むほど分からなくなってくるのだ。やっぱり利き酒の時は飲まない方がいいのかもしれない。結局、一杯目に飲んだ時のインスピレーションのまま回答した。
回答用紙を提出して一旦ステージを降りる。
全員の回答が出揃った時点で審査に入り、その場で結果が発表されるのだ。
ステージ横で参加者同士が感想をぶつけあっている。「純米と原酒は分かりやすいけど、あとは難しかった」などと首を傾げたりしている。正直、僕にはどれも難しかった。僕以外の参加者が全員凄い人に思えてくる。試験会場に行くと自分以外の人全員が賢く見えるのと同じだ。
15分ほどして、再びステージに上がった。
審査結果の発表である。 |