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ひらめきの月曜日
 
煮干しを再利用したい

煮ます

焼くのは諦めた。さっさと次の手段へと移りたい。

やっぱり、あれくらいの大きさの魚はまとめて煮ちゃえばいいと思うんですよ。ええ。面倒ですからね。


煮物には欠かせない日本酒とみりん、
さらに、出きったダシを補う為の、しょっつる。

これは、先週の私の記事「なんでも昆布じめ」でもやったことである。昆布が美味しかったのだから、煮干しだってイケるだろう。しかも今回は、しょっつるという心強い味方もいることだし、不味かろうはずがない。

…と思うあたりが、やはりアマチュアだった。


これは成功だろう!と思ったのですが。
どうしても噛み切れない。

味はいい。ごはんがいくらでも食べられそうな、いかにも佃煮っぽい味だ。でも明らかに昆布とは違う。食べたあと、口の奥から魚臭さがモワーッと漂うのだ。はらわたを取ったはずなのに、微かな苦みも感じる。

これは一部の大人にはウケるだろうが、子どもは大嫌いな味だろう。見た目も地味だしな。

やはり、魚臭さ解消&派手さを狙うなら、和の手法では限界があるのかもしれない。

と、次は洋風で攻めてみた。


戻した煮干しを素揚げして、ニンニクやハーブを山のように入れたトマトソースと煮込むことしばし。
華やかにはなった。

こういうイタリア料理、あったような気がします。頭も内臓も付いているので苦みはあるが、イヤなら取ればいいだけの話だ。うん。大丈夫、食べられる。

しかし、作った本人が「大丈夫、食べられるから」と書いてしまうような物を真似して作るような人がいるだろうか。いないだろう。

やはりここは「そんなに美味しいのなら、是非とも煮干しからダシを取りたい!」と思わせるくらいの、素晴らしく完成度の高い一品が必要なのではないか。

 

最後は油だのみ

以前「油で揚げてマズイもの」という記事を書いたことがあるが、そのときの結論がこうだ。「油で揚げてマズイものなどない」

今こそ、この言葉の真価が問われるべきであろう。もしも煮干しが不味かったら、あの記事には補足が必要になってしまう。


小さくて面倒かと思ったけど、そうでもなかった。
煮干しフライ。火は通ってるので色が付けばOK。


ひとくち食べて驚いた。

ああ。ああ。ああ。この時の私の気持ちが皆さんに想像できるだろうか。


うめええええええ!(小躍り)

やっぱりそうだ。やっぱり油はスゴイんだ。というより異常だ。なんでこんなに美味しくなってしまうんだ。ものすごく美味しい。素晴らしく美味しい。

煮ても焼いても魚臭さがどこかに残っていたというのに、それが全く感じられない。サクッと、それでいてホロッと、軽く食べられてしまう。思わず油に頬ずりをしたくなるほどであった。

フライが美味しいなら、天ぷらだって同じに違いない。


こっちの方がフライより簡単
やっぱり美味しい。塩で食べても美味しかった。

頭からガブリといっても美味しさに変わりはない。いや、この場合は頭からいくべきだ。油で揚げると、内臓の苦みまでもがいいアクセントへと変化してしまうのだ。

この苦みはいい。ふきのとう等の春の山菜を食べた時に感じる「この苦みがいいよね」と同じものを感じる。

長時間煮ても噛み切れなかった煮干しが、サクッと噛み切れたのにも感動した。

揚げることをおすすめします

煮干し再利用。油に感動しすぎて忘れるところだったが、それがこの記事のタイトルだ。食のアマチュアに何が出来るだろう? と始めた企画は、油に助けられて終了した。油様々だ。

実家の母は、まだ煮干しを味噌汁と一緒に食べているだろうか。今すぐ電話して「揚げろ!」と教えてあげたい。「揚げなきゃ損だ!」と。

これからは煮干しフライを食べたいが為だけに、私の味噌汁を作る頻度は増えそうである。

とりあえず、今回とったダシを使い終わらなければ。

 
 
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