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フェティッシュの火曜日
 
高校生ロボットアメリカンフットボール全国大会観戦記

3試合目は神奈川工業高校と対決

一勝一敗で迎えた3試合目は、地元神奈川工業高校との対決。顧問の先生が「マシンのレベルは同じ」というこの試合だが、先制点を決めたのは我らがチームBBQだった。


速攻がきまってタッチダウン!

開始早々にタッチダウンを決め、このまま逃げ切りなるかと思われたのだが試合中盤で同点に追いつかれると、なかなか両者得点が入らないまま進んだ終盤に逆転を許し、そのまま1対2で試合終了となった。

負けたのは残念だが、とてもいい試合だった。

 

ビューン。
ビューン。
ビューン…完封負け。

最終試合は四日市中央工業高校

とうとう予選の最終試合。これまでに2敗して決勝トーナメントへの道がないBBQにとって、この試合が正真正銘のラストマッチ。対戦相手はこれまで無敗の四日市中央工業高校、チーム四中工。ロボット大相撲でも毎年上位に組み込む強豪校だ。

この試合が全リーグ通じての予選最終試合となったためギャラリーも多い。マイクで試合を盛り上げる実況もついている。高校生活最後の試合、どうにかここでいいところを見せてもらいたかったのだが、こちらとは明らかにモーターのスペックが違うフォワードと、縄をとかれた上海蟹(水曜ライター大塚さんの記事参照)のような変形を見せるディフェンスになすすべもなく、結果は0対7の完封コールド負けとなってしまった。

試合を見ながらBBQチームをここまで教えてきた先生にいろいろと話を聞いたのだが、このロボフト用のマシンというのは、ラジコンのようにキットがあるわけではないので、マシンの設計はもちろん、回路の組み立てや金属部品の切り出しまで一から生徒がおこなうそうだ。

彼らは3年生になるとすぐに課題研究(大学でいうところの卒業制作)としてロボフト用のロボットを作り始めた。新座総合技術高校は今回が学校として初の出場だったため、指導する先生方にもロボフト用ロボット制作のノウハウがなく、まったく手探りでのチャレンジだった。

それでもきちっと闘えるロボットを作成し、12月の県予選を無事突破すると、今度は予選での反省を活かしてまた一から作り直したのだという。授業がなくなる家庭研修期間に入ると一日10時間以上もこのロボット作りに費やした。すごい時間の使い方だ。

BBQチームが1年間を費やして挑んだ全国大会だが、結果は残念ながら1勝3敗で予選敗退となった。

試合終了後、先生がメンバーに話を聞く時間を作ってくれたのだが、聞く方も聞かれる方も試合が終わって呆然としてしまい、お互いなにを話したらいいのかわからない状態だった。

私:「どうでしたか」
生徒1:「なにも…ないです」
生徒2:「もう“チーム惨敗”と呼んでください」
生徒3:「申し訳ない…」
私:「あ、ありがとうございました」

完敗直後に「どうでしたか」っていう質問もないよね。BBQの5人はやっぱりガッカリしている様子だったが、私は高校生活を無気力、適当、ほどほどで送っていたので、一年間を一つのことに集中して過ごせた彼らがちょっと羨ましいなと思ったよ。



「ありがとうございました」

最後、先生に「中華街で残念会を開いてあげるんですか?」と聞いてみたら、「この成績じゃあ私が奢ってもらわないと!」と笑っていました。

楽しい大会でした

ルールもよくわからないで見に来たロボフト大会でしたが、新座総合技術の生徒達を通じて大会を見ることで、自分も高校生に戻った気分で楽しめました。アンチエイジング。

この大会は予備知識や贔屓チームがなくても純粋にエンターテインメントとして観戦できるおもしろい大会だと思います。特に決勝となった今治工業と三豊工業の四国勢対決は非常にレベルが高く、後半まさかの逆転勝利という劇的な展開に酔いしれました。ロボフト、熱いです。

優勝は愛媛県立今治工業高等学校、瀬戸水軍・昇でした。

■ルール、結果詳細などはこちら:
全日本ロボットアメリカンフットボール大会


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