最終試合は四日市中央工業高校
とうとう予選の最終試合。これまでに2敗して決勝トーナメントへの道がないBBQにとって、この試合が正真正銘のラストマッチ。対戦相手はこれまで無敗の四日市中央工業高校、チーム四中工。ロボット大相撲でも毎年上位に組み込む強豪校だ。
この試合が全リーグ通じての予選最終試合となったためギャラリーも多い。マイクで試合を盛り上げる実況もついている。高校生活最後の試合、どうにかここでいいところを見せてもらいたかったのだが、こちらとは明らかにモーターのスペックが違うフォワードと、縄をとかれた上海蟹(水曜ライター大塚さんの記事参照)のような変形を見せるディフェンスになすすべもなく、結果は0対7の完封コールド負けとなってしまった。
試合を見ながらBBQチームをここまで教えてきた先生にいろいろと話を聞いたのだが、このロボフト用のマシンというのは、ラジコンのようにキットがあるわけではないので、マシンの設計はもちろん、回路の組み立てや金属部品の切り出しまで一から生徒がおこなうそうだ。
彼らは3年生になるとすぐに課題研究(大学でいうところの卒業制作)としてロボフト用のロボットを作り始めた。新座総合技術高校は今回が学校として初の出場だったため、指導する先生方にもロボフト用ロボット制作のノウハウがなく、まったく手探りでのチャレンジだった。
それでもきちっと闘えるロボットを作成し、12月の県予選を無事突破すると、今度は予選での反省を活かしてまた一から作り直したのだという。授業がなくなる家庭研修期間に入ると一日10時間以上もこのロボット作りに費やした。すごい時間の使い方だ。
BBQチームが1年間を費やして挑んだ全国大会だが、結果は残念ながら1勝3敗で予選敗退となった。
試合終了後、先生がメンバーに話を聞く時間を作ってくれたのだが、聞く方も聞かれる方も試合が終わって呆然としてしまい、お互いなにを話したらいいのかわからない状態だった。
私:「どうでしたか」
生徒1:「なにも…ないです」
生徒2:「もう“チーム惨敗”と呼んでください」
生徒3:「申し訳ない…」
私:「あ、ありがとうございました」
完敗直後に「どうでしたか」っていう質問もないよね。BBQの5人はやっぱりガッカリしている様子だったが、私は高校生活を無気力、適当、ほどほどで送っていたので、一年間を一つのことに集中して過ごせた彼らがちょっと羨ましいなと思ったよ。 |