■ビル山水の原型を見た
だいぶ読者を置いてけぼりにした感があるが、ここでぼくが「これがビル山水の原型ではないのか」と思った作品を見ていただこう。
入り口に松が生えているのが連れ込み宿の目印らしいが、昔から日本の店の軒先にこうやって文字通り箱庭として植物を植えたのが発祥ではないか。
前ページで「プランターはだめ」と書いたが、こういう風情だとなかなかである。
これらは「ビル感」に欠けるが、こういうものが雑居ビルに入った場合に下のように受け継がれるのではなかと思われる。この流れをくんでいるかどうかが「ビル山水」か単なる「植え込み」かを分ける決め手だ。
こういうものが、店だけでなく一般的なオフィスビルやマンションなどにも応用されていくのではないか。
あとは、単にみんな植物好きなんだと思う。
■いつにも増して共感しづらいネタでしたが
自分でも最後まで「植え込み」と「ビル山水」との明確な定義があいまいなままだったのが悔やまれる。しかし、見るとぐっとくる種類のものがあって、それがぼくにとってのビル山水だ。いずれもっと選球眼を鍛えて出直したい。