■その前にちょっと山登りをしようか

　漁民アパートの向かいにある山の頂上には仏舎利塔がある。釈迦の骨が納められているというもっぱらの噂だ。

　蓮華ヶ淵から帰ってくる途中、山側に抜ける階段があるはずだ。そこを登ってやや細い道を西に向かうと仏舎利塔へ向かう山道に出る。基本的に一本道なので遭難することは無かろう。

　仏舎利塔まではおよそ20分ほど。途中、眺めの良い展望台などもあり良い風が吹き抜ける。仏舎利塔の周りは木が生い茂り眺望はほとんど無いので景色を楽しむなら展望台で休むのがお勧めだ。

　数年前、一人でここを訪れたら地元の高校生カップルがちちくりあっていた。邪魔して悪いなぁと思いながら横を通り過ぎたが非常に気まずかった。高校生が気軽にちちくりあえるスポットに乏しい、田舎ならではの光景であろう。

次こそは本当に誕生寺だ。

■誕生寺は買い物をするところ

　前述の通り、津波で流された後に作られたお寺である。正月は初詣客で大いに賑わう。

　なぜか参道でパイナップルや巨大な柑橘類が売られているが、別に小湊で南国フルーツを栽培しているわけではない。「南房総＝南国」ってイメージだけで売ってるのである。割りと売れてるみたいだけど。

　本堂の中ではおまもりが売られている。お薦めは、鯛の形の鈴ストラップ。赤くてなかなかに可愛い。携帯に鈴を付けておくと無くしにくいのでお勧めだ。また、地獄を描いた本も内容が残酷で良い。子供に読ませると見事にトラウマになるだろう。

僕はなった。

大体こんな内容。これは黒縄地獄の様子

　余談だが、日蓮が生まれた地となると日蓮宗が多いように思うだろうが、僕の実家は浄土真宗だったりする。そして、某巨大宗教組織の人はあんまりいない(日蓮関係ないから)。

鯛のお守りが出たところで、次は鯛ノ浦の遊覧船に乗ろうジャマイカ。

■鯛ノ浦は実はわりと鯵ノ浦

　日蓮が生まれた時、蓮華ヶ淵で鯛が跳ねまくって祝福したのだそうだ。そんな伝説の真偽はともかく、鯛ノ浦と呼ばれる海域には多くの鯛が生息している。

　通常、鯛は100m程度の深い海に棲んでいるのらしいが、ここでは水深15m程度の浅い海に住み着いている。普通の鯛とはやや習性が違うと言われている。

　ただ、まぁ、数百年にわたって餌付けしたらそりゃ習性がちょっと変わってもおかしくないだろって気もする。継続は力なりなのだ。

　乗り場は誕生寺のすぐ横。大人の乗船料金は800円。観光案内所で割引券を貰えるので是非割引で乗った方が良い。

　船はさっき紹介した蓮華ヶ淵、大弁天小弁天の辺りを周回し、鯛を集めるためのエサを撒く。すると遊覧船の周りに鯛が沢山集まってくる、という事になっている。

　だが、ここ数年、僕が乗った時にはアジしか集まってきていない。水温の関係もあるそうなので、きっと僕が乗った時期が悪かったのだろうが、個人的にはすっかり鯵ノ浦である。

鯵しか見られなかった時のガッカリ感を軽減するためにも割引券は必須なのだ。

■小湊漁港の寂れ具合がたまんない

　小湊漁港は小湊で一番大きな港であり、販売場と呼ばれる市場がある。僕の実家は干物屋なので、親父がたまに販売場に入札に出かける。

　ここにある大きなキノコ状の屋根？が格好良い。下には漁師達の道具が置かれ、昼間は網の手入れをしてたりする。

　夏になるとこの下で相撲大会が開かれたりする。用途はともかく格好良いので一度見に行ってみたら良いと思う。ウオポートからすぐなので買い物のついでに行くと良いと思う。

　漁港には他にも製氷所など、なかなかにイカス建物が並んでいる。どれも錆びたり崩れそうだったりして趣がありいとおかしだ。

■堤防が格好良い

　　小湊は港町なので防波堤が多い。防波堤は波に対する防御施設であり、言ってみれば要塞だ。

　その要塞には灯台も備え付けられていることが多く、これまた大変に格好良い。特に天気が悪い日の灯台は最高だと思うがどうだろうか。

　小湊にある数カ所の防波堤を撮影してきたので写真をお楽しみ下さい。こんな素敵な防波堤達がまとめて見られるなんて、なんて素晴らしい町なんだろう。