いわゆる感動系FLASHというやつは、そうと分かっていても見るたび感動してしまうくせものである。情緒に訴える文章、音楽、そして画像。手口は分かってる。でも泣いちゃうのだ。
じゃあそれらの構成だけ借りてきて、まったく感動しないお話を流したらどうなるんだろう。うっかり泣いたりするんだろうか。
長々と書きましたが、前回の「BGMで盛り上げたい」という記事のつづきです。
(text by 三土たつお)
歌詞をただ眺めるよりも、歌として聞いたほうが感動が強まることはよくある。それはなぜか。文章に音楽の説得力がプラスされるからだ。
同じように、歌をただ聞くよりも、映像と合わせてPVのようにして視聴したほうが感動が強まることがある。もちろん映像の説得力がプラスされているからだろう。
今回は、文章+音楽+画像で、中身のない内容をむりやり盛り上げてみたい。まずは、前回の記事で取り上げた犬の話に、画像をつけてみた。
どうだろう。説得力があるといえば嘘だろうが、しかし見事に中身のない話が、音楽と画像のおかげでうっかりいい話みたいに見えてこないだろうか。
次は音楽の説得力をあげてみよう。有名なショパンの「別れの曲」を使うことによって、恋人たちの甘い情感を盛り上げてみるのだ。
以下はたわいもないストーリーだが、その音楽の役割に耳を傾けてみてほしい。
(作中の音楽は「Piano1001」からお借りしました。)
最後のシーンなど、残酷でわれながら見るのがつらい。しかし、劇中のみかんくんはこの後ふつうにおいしく食べてしまったし、もっと言えばりんごも食べてしまった。
だのにこのやるせなさ。音楽のなせる業と言えるのではないだろうか。