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フェティッシュの火曜日
 
食べ物に躍動感を与えたい

B.布団をかぶり、それでもまだ寒いのでその上にイスを乗せた


ふとん登場

 次はB説だ。じつはは半袖で家を出た瞬間から、このときをずっと待ちわびていた。あれが着れるからだ。喜びに顔をほころばせつつ、ついにあれを迎えよう。布団!ふとん!フトン!


あ、あったかーい
ここへきてイスが意外な実用性を発揮

 すごい。これが布団の実力か。風を全部遮断したうえにいい感じに体温を保持してくれる。これだ。ふとんってものすごく暖かいよ。

 しかも、ヒザに乗せたイスは座面を机として使えるのだ。これはまったく予想していなかった便利さ。布団効果でぬっくぬく+机いらず。これはいける。


布団とイスで難しいかけ算(小5相当)がすらすら解ける!

体温は36℃を記録。+0.3℃!

 どんなに風が吹こうともちっとも寒くない。体温はうなぎのぼり。これは寒さ対策の決定版かもしれない。布団+イスで今年の冬は暖房要らず。CO2排出量も大幅削減だ。


体温の推移

 さっき7問しか解けなかった算数が、今回は12問も解けた。計算の苦手な僕だが、この暖房法をとおして確実にキュリー夫人に近づいているのを感じる。この方法で勉強すれば僕もラジウムやポロニウムを発見できるかもしれない。

 

D.ベッドに入ったものの寒くて眠れないので、イスを背中に乗せて、その重みで寒さをごまかした


気分は春

 少し興奮しすぎたせいか、それとも暖かさのせいか、少し疲れてしまった。このまま横になってD説を検証しよう。


ベンチの上でおやすみなさい
バランスが悪くて眠れない

 イスが当たって体が痛いかと思いきや、うまく布団がクッションになってくれた。 暖かさも上々。今回は敷布団がないのでベンチの隙間から風が吹き込んでくるが、もし敷布団があれば十分眠れる暖かさだ。


36.2℃。B案からさらに0.2℃
アップ!!

体温の推移

 暖かい方法が2つ続いたおかげで体温がどんどんあがってきた。あまりの上昇ぶりにグラフの軸も足りなくなってしまった。防寒性能はばつぐんだ。

 しかし、このC説にはちょっと問題もある。ひどくバランスが悪いのだ。寝返りでも打とうものならとたんにイスを落っことしてしまって、ガン!という音で目を覚ますことになる。これはちょっと実用的ではなさそうだ。

 

実験結果・B説がいいぞ

 ないよりマシだがやっぱり寒いA説、暖かいし勉強も進むB説、暖かいが実用性に難アリのC説。トータルで考えると、やはりB説がいちばん妥当な寒さ対策といえるのではないだろうか。キュリー夫人はふとんを着て、上にイスを置いたに違いない。ラジウムの発見もポロニウムの生成も、原点はふとんの上にイスを置くことからはじまったのだ!

けっきょく布団がえらい

 と言ってはみたものの、みなさんすでにお気づきのことと思うが、実はB説もD説もあたたかいのはふとんのおかげ。イスはあまり関係ない。ヒザに置いたら勉強はしやすいかもしれないが、 別に暖かくなるわけではないのだ。あらら。

 イスの防寒力にちょっとがっかりムードになったところで、原典を当たってみよう。キュリー夫人の実の娘が書いた伝記には、こう記されていた。

エーヴ・キュリー著『キュリー夫人伝』p.126


(前略)一脚しかないいすを引きよせ、それを積み上げた着物の上に置いて、重いのでなんとなく暖かいような錯覚を自分に与えようとするのだった。

 ということで、正解はB説であった。 そしてイスを置いたところで実際には暖かくないというのも正解。ようは「気の持ちよう」みたいな話であった。なーんだ。

 とはいえ、実験のあとガンガンに暖房つけた部屋で薄着になってアイス食ってた僕のような人間は、こうしたエピソードを見習うべきかもしれない。

 

 
 
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