実用化の前に廃線
1996年まで約20年に渡って、日本のリニアモーターカー研究の中心だった宮崎県の実験線。新しく山梨県に造られた実験線に研究の舞台が移ってからは、話に聞くことはありませんでした。
日豊本線の東都農という駅に着いて線路の向こうに目をやると、使われなくなってから10年以上経った旧実験線がそのままの姿で残されていました。
駅の周囲、というか、この周囲には本当に何もありません。
何もないからこそ、多少の騒音や危険の伴う実験線を敷くことができた、とも言えるかも知れませんが、その実験線が役目を終えたいま、この一帯は農地が点在する以外、本当に何もなくなってしまったようです。
しばらく実験線に沿って進んでみましたが、特にこれといった変化はありません。
ただ黒ずんだ高架が続くだけです。
そして、全長7kmの実験線は突然パッタリと終わりました。
荒れ地の中で静かに佇む実験線。この寂しすぎる光景を見ると、ここで生まれたリニアの技術を山梨で大きく育て、いつか実用化にこぎ着けられることを心から願います。
そしていつになるか分からないけど、リニア新幹線が東京から九州まで開通したとき、ぜひこの場所を通してほしいと思いました。
おまけ