乾布摩擦の原理

　乾布摩擦とは、皮膚を布で擦って刺激することにポイントがある。その結果、自律神経が調整されるのだ。これによって体の働きがよくなり、風邪をひきにくくなるのである。

　乾布摩擦の効果は、一般的に考えられる「運動して体を鍛える」というような風邪予防に比べると、なんだかサイバーな感じがして僕にぴったりだ。

　ぜひ挑戦してみる価値はあるだろう。

　早速公園に行って試してみることにした。

肌にあう繊維を求めて

　 乾布摩擦をやったことがないのでなんとも器量がわからない。たとえば一口に乾布といっても布の種類は様々だ。

　きっと乾布摩擦に適した布とそうでない布があるに違いない。何種類か持ってきたので試してみようと思う。

　まずは普通のタオルだ。

　いきなり結構いい感じだ。摩擦と腕の運動でなんだかあったまる気もする。

　ただ、上半身半裸で寒空の下にいるのは辛い。体を摩擦するにしてはタオルは柔らかすぎるので、もっと刺激的にしてはどうだろうか。きっと刺激的で良いに違いない。

　そう思ったので次は少し粗めのボディタオルでやってみることにした。

　今度は粗すぎた。

　普段体を洗うのに使っているから問題ないのでは？と思っていた。しかし今は乾いた状態で使っているのでマイルドさがない。

　肩甲骨のあたりを擦るのはまだ大丈夫だが、脇腹のあたりは完全にダメだ。皮膚が持っていかれる感じがする。

　傷ついた肌をいたわるために、今度は逆にサテンのようなツルツルテカテカした布で挑戦だ。

　今度はしゅるしゅるするだけだ。摩擦はないので肌には優しいが、これでは乾布摩擦に適さない布だと言える。

　最後は期待のてぬぐいだ。やっぱりてぬぐいくらいの肌ざわりが一番乾布摩擦に適しているのではないか。

　やっぱりてぬぐいだ。タオルよりシャープな肌触りが快適な乾布摩擦ライフを演出する。

　これから乾布摩擦を始めようという人は、迷わず最初にてぬぐいを手に取ってほしい。

　内面の寒さを和らげる

　また別の問題が浮かび上がった。

　ひとりで乾布摩擦をしていると、寒い。この季節だから肉体的に寒いのはしかたないのだが、孤独な作業なので心理的にも寒いのが気になる。

　乾布摩擦は基本的に一人の作業だが、人に手伝ってもらって共同作業にしたらどうだろう。きっと楽しげで、体だけじゃなくて心まであたたまるんじゃないだろうか。

　公園にはライターの工藤さんたちも一緒にいたので手伝っていただくことにした。

　と、このあたりまで頑張ったが、服を着てしまった。

　自分が裸だとういうことに気づいたのだ。じゃなくて、本当に寒くなったのだ。冷静になってみれば、こんな寒いのに半裸ってどうかしている。

　その後服を着てもしばらくは寒かった。