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はっけんの水曜日
 
はんぺんを作ろう

(text by 大塚 幸代



先日、テレビを見ていたら、ハンガリーでのルービックキューブ大会の、密着レポートが特集されていた。
とにかく、6面をそろえるのが、ものすごく速い。
ぐちゃぐちゃにした12個のキューブを、手にとって全面を記憶して、目隠ししてから12個全部をそろえる、という、すさまじいこともやっていた。
「……ってな番組を、見ちゃったんですよ」
と、チェコ総合情報雑誌CUKR(ツックル)編集長・梶原さんに話したところ、
「ハンガリー人は、パズル上手らしいですよ。政治もパズル的に考える人たちだと、ハンガリー人のピーター・フランクルもテレビで話してました よ」
と言われた。
「普通の日本人は知らないよ、そんなこと(笑)」
「そうなんですか?」
「そうですよ。語学学習者は、やっぱり世界の文化に詳しいですねえ。
いやあ、世界には、私の知らない、いろんなフェスやコンテストがあるんだろうな、と思いますよ。私なんか、日本のテレビで紹介されてる、フィンランドのエアギター大会や、韓国のペン回し大会くらいしか、知らないし。
チェコには、何かないんですか?」
「う〜ん……口ひげの横の長さコンテスト、っていうのがありますよ」
「ヒゲ!? それ、有名なの?」
「毎回、報道はされますねえ」
「……うひゃひゃひゃ、世界のニッチな祭、知りたいなあ。でもその国の事情に詳しい人じゃないと、そういうの、知らないよねえ」
「うーん、そうですねえ」
「……あ、外語祭で、聞き回ってみようかな!? 留学経験のある人とか、いっぱいいるはずだし。もしかしたら、何か分かるかもしれない!」
「それ、いいかもしれないですよ!」

東京外語大学の学園祭、外語祭。以前レポートしたことがあるが、世界の食べ物とお酒の屋台、各国文化へ関連した発表(ベリーダンスやフラメンコやサンバもアリ)が行われる、めっちゃ楽しいお祭りだ(今年は11月21-25日に行われた)。
そうだ、酒飲みながら、キキコミしよう!
私は梶原さんに同行してもらって、学内をうろちょろして、学生に話しかけてみた。


イメージフォト:今年の外語祭で食べた食べ物、フィリピンの鶏肉の煮込み。「アドボ」という名前だったような気がする。シンプルだけど甘酸っぱく、スパイスも効いてて美味。

 

■パキスタン関連の展示発表をしていた女子のはなし

「パキスタンはですねえ…そうですねえ、ポロが盛んなんですが、『世界一、標高の高い場所でやるポロ大会というのがありますね」
――ほう!
「でもですね、酸素がうすいので、1日で馬が死んじゃったりするらしいですね」
――ええ!?
「あと、そうですね…、2月くらいには、凧あげをやっていますね、ケンカ凧」
――相手を落としちゃうやつですね、日本にもありますね。
「シンプルな形の凧なんですけど……凧糸に、ガラスの粉をまぶしてあってですね」
――えええ!?
「鋭いんです、よく切れるようになっていて。高い場所で見てる人の首がとんで、死人が出ちゃうくらいの鋭利さで……」
――え? ええ!?
「あ、いや、室内で見れば、安全ですよ。あと、お金持ちの凧はですね、お金がくっついて、ぶらさげてあって(笑)」
――それは、落としたら、頂けるってことですか?
「そうです、『落としたらいいじゃない!』というような。盛り上げるために、皆にふるまう、というか」
――日本で言うと、餅撒き、みたいなものなのかしら。
「そうかもしれませんね。
本当にパキスタンの方って、凧あげ、上手いんですよ。無風でも、チョチョイって、うまいことあげる技があるみたいで。よかったら今度、行って見てみてください!」
――はい、見たいですねえ!……怪我はしたくないスけど。


イメージフォト2:こちらもフィリピンのお料理。バナナを春巻き状に巻いて、焼いたもの(トゥロンという名前だと思います)。バナナ好きの梶原さんが、はまって何個も食べてたよ。

 

■アフリカ関連の展示発表をしていた女子のはなし

「アフリカ…はですね、ええと、ごめんなさい、ちょっとスグに思いつかなくて」
――いや、そうですね、広いですし…あのう、思いつかなかったら、いいのですが。
「……私、アフリカ研究のサークルに在籍してますけど、専攻はフランス語なんです」
――ほう!
「ボルドーって、ワイン用の葡萄作りで有名な地域があるんですけど、そこでマラソン大会があって。そこの、給水所が…」
――ひょっとして、ワインですか!?
「そう、そうなんです。本気のマラソン大会ってことじゃなく、ほんとにお祭り、なんですけどね。これって有名だから、あまり面白くないですよね…」
――いや、いや、知りませんでした、全然知りませんでしたよ! ていうか、その祭り、かなり危険な祭りですねえ!


イメージフォト3:ポーランドのお惣菜、キャベツと肉の煮込み、ビゴス。なぜか懐かしい味。今度、自作してみたいなあ。

 

■梶原さんのお友達の、ブラジル関連に詳しい男子のはなし

「そうですねえ、ブラジルは、祭りはしょっちゅう、そこいらでやってますけどねえ…もちろん、音楽とダンスの。
そういや僕が今度行きたい、ちょっと変わったフェスがあるんです。
バイーア州サルバドールっていうところのお祭りなんですけど、普通のトラックに、10メートルくらいの舞台をくっつけて、パレードをやるんです」
――10メートル!?
「いや、10メートルはないかもしれないけど、ものすごく高くて(笑)。『トリオ・エレトリコ』っていうんですけども。
車にものすごい電飾がしてあって、スピーカーが上に積んであって…」
――エレクトリカルパレードみたいな?
「そう、そんな感じ! で、日本でいうと北島三郎みたいな人が乗って、歌ってたりするんです」
――国民的スターが、山車に乗ってる、ってことですね。
「その人は、文化大臣も兼ねてて…」
――え? ミュージシャンが大臣てこと?
「そう、そうです。全部で30台、山車が出るんですけど…ものすごい人出で、踊りまくって大盛り上がりになって…ああ、行きたいなあ!」
――行ってみたいですねえ〜。
>>そういえば、今日、東京カルチャーカルチャーで、「これもブラジル? これがブラジル! ブラジル音楽の新しい流れ」というイベントがありますよ。私は行きます!


イメージフォト4:モンゴルのビール。缶のビジュアルを見ると「草原っぽい味がするのかな?」とイメージしてしまいますが、意外と普通の、日本のビールに近い、飲みやすいビールでした。

 

■ミャンマーの雑貨を販売していた女子のはなし

「ミャンマーは…。ボクシングが1000年ほど歴史があるので盛んですね、あと『チンロン』っていう蹴鞠も……でも、世界的な変わったフェスって、思いつかないですねえ。あ、仏教会議というのはありますが」
――仏教国ですよね、ミャンマー。
「あとはー、うーん、うーん」
――ええと、フェスに関係ないことでも、流行ってることとか、もし知ってたら教えてください…。
「あっ、いま、韓流ブームですよ! アジア圏は、みんな韓流の影響受けてますけれど、日本より全然流行ってますね。ピ(Rain)って歌手の顔写真の付いたTシャツ、着てたりして」
――はははは。それ、オフィシャルグッズじゃないっぽいですね。
「でしょうねえ…。あと、『付け尻』が流行ってるらしいです」
――ツケジリ?
「ミャンマー女性は、おしりが大きいほうが、美しいとされているんです。男性が好きなのも、胸よりも、断然、おしり。
なので最近、胸パッドみたいに、おしり用パッドが、売られているらしいですよ」
――えーっ、そんな文化があるんですね…お国はイロイロ大変そうですが、乙女心は、変わらないなあ…。


イメージフォト5:ナンドッグ。羊肉だったので、イスラム圏のお国の屋台だったんだと思うんですけど、えーと…どこの料理だっけ??

 

■某、ダンディな先生のはなし

「世界の祭り? そりゃ、教員全員に聞けばいいよ(笑)」
――あわわ、そういうわけには…。先生は、何か思いつくこと、ありますか?
「中国ではね、『コオロギ相撲』っていうのがあるんだよ」
――コオロギを闘わせるんですね。
「コオロギ市場があってね、強そうなのを買って、闘わせる。
負けると、足がもげちゃったりするから、もうつかえなくなるんだよ。強くても、コオロギの寿命だと、ワンシーズンしかもたないしね」
――コオロギ市場が、があるんですか!
「あるよ。普通の市場の奥に」
――っていうか、ということは、コオロギブリーダーがいるんですね。
「いるよ、もちろん。コオロギ相撲自体、8世紀くらいから歴史があるからね」
――おおおー…。
「インターネットで、中国語で検索してごらん、いっぱい出てくるから」
先生、すいません、私は語学がダメなので、それ、無理です…。

■世界の祭りを知りたい&行きたいぜ

数時間ほど聞き回っただけで、こんなに知らないことが出て来た。世界は広い。そしてどの祭りにも行ってみたい。でも全部の祭りに行くことは、不可能だ。とても残念だ。

それにしても外語祭は今年も楽しかった。実はこの取材、1日の訪問で終了するるもりだったのだが、同行した友人たち(ライター・タカセさん等)とハッピーに泥酔し、ぜーんぜん人に話を聞けなかったので、翌日に再訪した次第。
お話してくれた外語祭関係者の皆様、ありがとうございました。日本語しか出来ないわたくしですが、来年も行きますので、また世界の文化を教えてください!


 
 
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