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ひらめきの月曜日
 
アートパフォーマンスの裏側に密着

■ラストスパート

ステージ出演が終わったからといってのんびりしてはいられない。
フォーラム終了後、ふたたび急いでステージからマザーを運び出す。
この後もパフォーマンスがあるので、慎重に慎重に。

時間的にもイベントの終了時間まぎわになり、お客さんも若干減ってきた。
パフォーマンスのラストチャンスということで、またステージの合間をぬって、会場を練り歩く。

この段階では、荒木博士いわく「今日はまだ納得のパフォーマンスができていない」とのことだったが、3度目の正直、はたして…?

マザーと共に会場に登場すると、今度はお客さんの方から近美の皆さん&マザーのまわりに集まってきて、なごやかな笑いがわきおこる雰囲気になった。
次々と、自分からマザーにコミュニケーションを求めにくるお客さんたち。

マザーの調子が悪くなることもなく、良い雰囲気のまま、無事パフォーマンスを終えた。

最後のパフォーマンスを終えた後、イベントも終了時間になり、撤収準備をする。

おつかれさま、マザー!(そして近美の皆さん)

幕間に急いでマザーを下ろす。また重いんだ、これが…
本日ラストのパフォーマンス。出動〜!
さっぽろテレビ塔のキャラクター「テレビ父さん」と絡む。
「シュールな絵だ」とお客さんも大喜び。
お客さんも和気あいあいとしていて、マザー大人気。今日一番良い雰囲気!

 

■お話をうかがってみた

イベント終了後、昨日からのイベントラッシュで疲労困憊、少しもうろうとしている近未来美術研究所の皆さんにお話をうかがってみた。

お疲れのところすみません。

左から遠藤研究員、荒木博士、塚田研究員、梅津研究員。
白衣に七三が基本コスチューム。

 

――近未来美術研究所を結成されたのはいつですか?

荒木:2001年の12月です。雪の降る日でした。

梅津:みんな同じデザイン専門学校で、荒木博士が講師だったんです。

荒木:結成当初は5人だったんですが、今は4人でやってます。


――現在は「株式会社 近未来美術研究所」ということで会社になっていますが、皆さん普段は何をされているんですか?

荒木:デザインの仕事をしていますが、元々はパフォーマンス集団で、デザインの仕事が後からついてきた感じですね。


――アートパフォーマンス集団を会社にされたのは珍しいんじゃないかと思うんですが。

荒木:前々から会社にしたいという話は出てたんです。いずれは1階にカフェがあり、ギャラリーがあり、仕事場があるという理想がありまして…全部叶っちゃいました。


――いや、叶ってないじゃないですか。事務所にカフェなんてなかったですよ。

荒木:事務所でコーヒー飲めるし…。夢叶っちゃったからこの先どうしようかと…。

塚田:支離滅裂ですみません。

 

疲労でグッタリしているところ、お話をうかがいました。
なお全員帽子をかぶっているのは「七三隠しで始めた」そうです。

 

――近美さんにはパフォーマンス作品がすでにいくつかありますが、そのアイディアはどうやって考えるんですか?

荒木:だいたい夜、お酒を持ち寄って「ネタ会議」というのをやります。最初の頃は、「誰でもピカソ」出演とかもあったんで、ちゃんとネタだけを考える日とかあったんです。「今日考えるぞ!」っていう日が。その日はドイツワインしか飲まない。

塚田:でも、だいたい打ち合わせでは思いつかないんだよね。

遠藤:ネタ会議の時は思いつかない。


――結局いつパフォーマンスのアイディアが思いつくんですか?

荒木:全然関係ない時にポロッと。

遠藤:打ち合わせの合間の、雑談の中で出てきます。

塚田:休憩中に出てきた会話が広がって、「こうしたらいいんじゃない?」と。

――イベント出演やテレビ出演は、自分から応募するんですか?それともオファーが来るんですか?

荒木:ほとんどオファーですね。「たけしの誰でもピカソ」の時は、個人のホームページに情報を載せておいたら、番組のリサーチャーの人からメールが来まして、「イタズラなのかな」と思っていたらどうも本物らしくて…。事前に1回取材があって、出演することになりました。

――テレビに出て反響はありましたか?

荒木:大いにありましたね。

梅津:「誰でもピカソ」のアートバトル復活第1回目だったので、意外と皆さん見ていたみたいです。

荒木:それを機に、「GEISAI4」の「誰でもピカソ」のコーナーに出演して、それからトントン拍子で来たので、「ちゃんとやらないとなあ」という気になりました。

(注:「GEISAI」…アーティスト村上隆プロデュースのアートイベント)

――最近はものすごくイベントに出演されていますが、こちらもオファーですか?

塚田:全部オファーです。受け身なんです。

荒木:ギャラが出るようになったのは「誰でもピカソ」に出てからですけどね。

―それでまではノーギャラで?

梅津:そうですね。

荒木:(ぽつりと)大変なんだよ?

 

ライブ出演中の皆さんの勇姿。またマスク。

 

――アイディア会議、制作、パフォーマンス当日という全工程の中で、一番大変なのはどの作業ですか?

遠藤:大変なのはネタ出しですね。

荒木:制作まで進んじゃうと楽しい。

梅津:制作はやることも全部決まってますしね。

荒木:とにかく、何もないところから、お客さんの反応を想像してアイディアを考えるのが大変。

塚田:同感です。

――お客さんの前でパフォーマンスをする魅力は何ですか。

荒木:やっぱりライブの良さですね。ナマモノであり、時間の枠の中でいかに見せるかっていうところです。展示とは違って、その時間が過ぎてしまった見れないですから。

梅津:ライブじゃないと体験できないことがありますしね。

――自分でもアートパフォーマンスをしてみたいという人にアドバイスはありますか?

梅津:見られることを考えないと、ひとりよがりになってしまいます。

遠藤:お客さんをおいてけぼりにしない。自己満足になりやすいので。

荒木:僕らもそう見えるかもしれないけど、精一杯お客さんのことを考えてはいるんですよ。「お客さんだとしたらどうだろう」と。

――今後の活動の目標はありますか?やってみたいこととか。

梅津:大きな目標は、すごく大きな物をやってみたい。巨大ロボットみたいな。

荒木:前々から、巨大な物を出したいって言ってたんですけどね。でも予算とか色々な都合でできませんでした。

塚田:でも将来できるもんならやってみたいです。


近未来美術研究所の皆さん、ありがとうございました!
12月のイベント出演に向けて、一番大変だというアイディア出し、がんばってください。

■パフォーマンスの裏側は、地味な苦労と奇妙な経験の積み重ね

テレビやイベントなどで見かけるアートパフォーマンス。
見ていると、華やかだったり、派手だったり、何かしらインパクトがあるものですが、その裏には地味な作業と、思わぬハプニングがあるのだと痛感しました。

今回イベントに密着してみて、「作品づくり」や「パフォーマンス」といった主だった部分以外に、作品の移動、待ち時間、寒い、場所がない、といった次々発生するハプニング…本当にささいなことながら、不測の事態がいっぱいでした。
しかしこの「予想できない出来事の発生」が、「ライブの良さ」なのだと思います。見ているだけですが手に汗握りました。

芸術の秋(ってもう冬ですが)、皆さんも気軽にアートに触れてみてはいかがでしょうか。
そして、パフォーマーや出展者の側からアートを見てみると、より楽しめることうけあいです。

みんなもマザーと握手しよう!

■取材協力
株式会社 近未来美術研究所
札幌市西区福井5丁目16-1
tel : 011-665-2644
URL : https://www.kinbi.net/

 
 
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