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ロマンの木曜日
 
日本一の地底駅、土合駅に行ってきた

ホームに着いた

このホームは海抜583mにあたるが、同時にここは地下70mでもある。
ホームは地上部分にくらべてかなり肌寒い。
駅の規模のわりには長いホームにプレハブの待合室と水洗トイレがある。
駅舎にもホームにもあちこちに「足下に注意」と表示されているが、この長い階段、 足下に注意する以外に他にする事がないのが実情だ。


モグラによる駅に関する説明が

 

独特の雰囲気

ホームに着いた時、ほかに乗客の姿はなく僕一人だった。
地下鉄の駅とは違い、周囲はトンネルの壁面がむき出しなので、とてもさみしい。
駅名表示があるので駅だとわかるが、それがなければ巨大地下シェールターかどこかの国の秘密軍事基地のようだ。
とてもJRの駅とは思えない。


トンネルの中のホーム

名所案内に駅自身が書かれている

 

ちらほらと観光客

ほどなくして、僕と一緒に電車を降りた人がホームへとやってきた。
この人もこの駅を体験するためにやってきた様子だ。
さらにしばらくすると、小さい子供を連れた家族が階段を降りてきた。
駅前に車を停めて、このホームを見学して電車に乗らずに帰る人も多いようだ。
土合駅に停車する列車は上下線それぞれ一日5本しかないので、自動車で来るのが効率的ではあるが、それではこの駅の持つ味わいは半減であろう。


トンネルの壁に駅名表示

待合室もある

 

階段は昇ってみないと

というわけでひと通り土合駅を紹介したのだが、これだけではすべてをお伝えしたとは言えまい。
これだけ長い階段を、降りるばかりで昇らないのは片落ちである。
しかし実は、僕が乗らなければならない電車の時間が十数分後に迫っているのだ。
それを逃すと、4時間もここで待つことになる。
しかし階段を昇らずには帰りたくないので、駆け足で昇ってみた。
その一部終始をノーカットでご覧いただきたい。

 

 

この上もなくくたびれた

死にそうだ。
途中からは足がからんで前に進まず、なかば這うようにして頂上までたどりついた。
いい訳をするのではないが、一泊分の着替えとノートパソコン、デジカメやビデオカメラのバッテリーと充電器等が詰まった15kg以上ある荷物を背中に背負っていたので、それがかなりの負担になったようだ。
本当はこのまましばらく頂上で休んでいたいところだが、帰りの電車が迫っている。
むりやり息を整えて、また階段を降りた。
大急ぎで三脚を建て直し終えたところで、電車がホームへと入ってきた。


電車がやって来た

これに乗って家に帰ろう

タモリさんへ

Wikipediaの土合駅の項によると、あのタモリさんも土合駅に「一度は行ってみたい」と思っているらしい。
その際のお役に立てばと思い、いくつかアドバイスを。

タモリさんへ

土合駅に行く場合、水上方面からの方が、地下駅の雰囲気と上り階段のダイナミックさが味わえるのでおすすめです。
長い階段を昇降する必要があるので運動靴が望ましいですが、途中地下水による水たまりがあるので、濡れてもよい靴が便利です。
トンネル内は気温が低いのですが、階段を昇ると汗をかくので、温度調節のしやすい服装がよいでしょう。
また当然ですが、トンネル内は暗いのでサングラスはよしたほうが賢明です。
では、気をつけて行ってらしてください。


 
 
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