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ちしきの金曜日
 
ロココ調・ゴージャス銭湯

脱衣所のようす

やはり脱衣所もロココ調。高そうな置物がずらりと並ぶ中、優雅な気分で着替えができます。

色々な物が置かれているのに、ホコリ一つ無いのは驚きました。とても掃除が行き届いているのです。この銭湯、そういった意味でもただものではないですな。


すてきなロッカー。
このようなトラップもあるので気は抜けません。

喫煙コーナー。ドアノブの芸が細かいぜ。

 

お風呂のようす

タイルの空間だとまた違った魅力があります。とても乙女チックなデザインです。

いたるところに複雑な凹凸があり掃除しにくそうなのにもかかわらず、これまた掃除が行き届いているのです。
普通のフラットなお風呂よりも掃除にかなり時間をかけているにちがいありません。


なんだ、私はお姫様か。

 

お風呂の種類

女性に喜ばれそうなエステ効果のあるお風呂や、腰痛などに効くパルス風呂もあります。サウナも2種類ありました。
テレビがたくさん設置されているのも親切。
まさに子どもからお年寄りまで楽しめるお風呂ですよ。

内装の面白さだけでなく、実質も伴っている銭湯であることがわかりました。


ステンドグラスも色んなデザインがありきれい。
人気のジェットエステバス。ミュシャの絵がいたるところにある。
ここが富士山の絵だったら困惑する。
ディテールも可憐ですよ。
奥に行くと、四方からウエストめがけてお湯が出ます。
水風呂

 

ご主人の水野さん

ここ「クアパレス」のご主人である水野さんに、お話をきかせていただきました。

ご主人の水野さん
200万円のシャンデリア
さりげなく女性誌も充実しています
馬もピカピカ

どういったいきさつでロココ調になったのですか?

「もともとは普通の銭湯だったんです。このようになったのは17年前くらいですかね。どんどん消えてゆく銭湯と同じ末路をたどらぬよう、イメージアップの一環としこのような洋風の趣にしました。和風のお風呂はどこにでもありますからね。」

このようなインテリアは趣味だったのですか?

「そうですね。やっぱり好きな物なのでここまで集められたのだと思います。今は五反田にあるTOCというインポートの卸売の店に、年1〜2回仕入れに行きます。」

一回でどれくらい購入するのでしょうか?

「50万〜100万円くらいですかね。」

す、すごいですね。ちなみに一番高い品物の値段は・・?

「脱衣所の真ん中のシャンデリアは200万円だから、それかな。」

すごく人気があるようですが、秘訣は何でしょうか。

「この近辺にもライバル施設が増えて、どうにか差をつけようとしました。銀行で1500万円の融資を受けて改装したんです。で、次の年もライバルが現れたのでまた1000万円融資を受けて綺麗にして。その成果はあり、気づいたら遠方からも沢山のお客さんが来てくれるようになってました。
それとやっぱり、雰囲気だけでなくお風呂も効果があるからだと思います。パルスのお風呂で(奥様の)ぎっくり腰も治ってしまいました。あと、杖をついて来られたお客さんが、帰るとき杖を忘れて帰っちゃったんですよ。
駐車場が20台ちかくありますが、今ではすぐ埋まっちゃいますね。」

普段お仕事をされていて、苦労されることがあれば教えて下さい。

「何と言っても掃除です。日々ホコリとの戦いですよ。シャンデリアは一つ掃除するのに1〜2時間かかりますね。以前お掃除屋さんに頼んだら3万円と言われたので自分でやっています。掃除にそんなにお金つかうんなら、新しい調度品が買えますからね。
おかげで掃除に関してはどんな物にも太刀打ちできますね。いつでも掃除の業者に転職できるくらいですよ。 」

これだけ置物があると、お客さんがうっかり壊してしまうハプニングがありそうですね。

「たまに子どもが壊してしまうこともあるけど、まあよっぽど高価なものでなければ、わりと寛大ですよ。 」

 

お話をきいて思ったこと

物が多ければ多いほど、ごちゃごちゃして掃除もやる気が起きず、結果的に居心地の悪い部屋になるのは、多くの人が感じた事があると思います。

私もつい飾る物を集めてしまうのですが、好きな物を飾っていたはずなのに、捨ててしまったほうが居心地の良い部屋になった、という経験があります。

ここよりずっと物が少ないけれど、並べられたインテリアのせいでマイナスイメージを受けるお風呂やお店をいくつも見たことがあります。

ところがクアパレスでは、並んだ調度品を見て素直に楽しむことができます。

ご主人のお話をきいて、このような内装を維持することが並大抵の苦労ではないとわかりました。調度品に対する愛情、センス、そして当然ですが清潔感。

その努力が居心地の良さを生み出しているのだと実感しました。


マシーンの小部屋

飾り棚をながめながらブルブルできます。
やっぱりベルサイユ宮殿かも。

いい湯でした

浴場の写真を撮るのはさすがに気が引けたのですが、水野さんから「お客さんが入らなければ撮ってもらっていいですよ」とありがたい言葉が。あのお風呂のようすを伝えたかったので、本当に嬉しかったです。

しかも、取材が終わってからひとっ風呂浴びようとしたら、なんと入浴料とバスタオルをサービスしてくれました。本来ならコチラがお礼するべきなのに・・・。

それはともかくとしても、銭湯にはなんとなく人情的なものが残っている気がします。

これからも銭湯が残り続ける限り、アットホームな魅力を楽しんでいこうと思います。


クアパレス

千葉県船橋市薬円台4-20-9
TEL:047-466-3313


 
 
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