でかいものを測る
身近なものでは面白くない、やっぱりでかい建物がいい、と思って新宿にやってきた。目的は都庁だ。
都庁ビルはでかい。あんまり近づきすぎるとよく分からなくなることは最初のオブジェに挑戦したときに分かった。ということで距離をとる。
しかし手元には2mのメジャーしかない。どうするか、と思っていたら地図があったのでそれをつかった。
筒越しに都庁のてっぺんを見る
地図の縮尺は10mが1センチになるようになっていた。250mくらい離れた位置に立って、都庁を見上げる。
遠くにある建物なのでできるだけ角度を正確に測らないといけないと思い、集中してみる。しかし、目盛りを見る度に示す角度が違う。40〜45度の間でフラフラしていてはっきりしない。
手作りツールはやめる
やっぱりいい加減に作った道具だと、どう集中しても正確に測ることはできなそうなので、ちゃんとしたのを用意した。
年季の入った装置
年季が入っているがこれはトランシットという機械だ。よく道路で建設業の人が覗いているアレ。
水平に回転する土台の上に、垂直に動く望遠鏡がついていて、それぞれ角度が読めるようになっている。
かなり重いのに頑張って持ち運んできた。ちゃっちゃと設置する。
気泡を見ながら土台のねじをまわして、水平をつくる
水平にした状態から、望遠鏡を覗いてビルのてっぺんを見つける。視界には中央を示す線が入っているので正確な角度を測ることができる。
レンズを見つめていると、背中につめたいものを感じた。と、思ったらあっという間に大降りになっていた。
取材中に面倒なことが起こるのは伝統行事みたいなものだから気にしないが、あとで確認したら新宿以外の場所では雨なんて降ってなかったらしい。
細かい目盛りがあってもぼけてて読めない。
雨はすぐにやんだが全身ずぶ濡れだ。トランシッタを置きっぱなしにして自分だけ雨宿りするわけにもいかなかったので、しかたなく測量し続けた。なんとか測れた、43.5°だ。三脚の高さは、1m強(あいまい)。計算すると、
tan43.5°×250(m)+1(m)=238(m)
となった。帰宅してから調べたところ、実際には243mらしい。5mは距離が測れていなかったせいだろう。あるいは角度が44°と読めば、結果は241mになりより実際の高さに近づく。結構微妙で難しい。
苦労した運んだ割にはアバウトな結果に。