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土曜ワイド工場
 
自転車のサドルの熱でコーヒーを沸かす
熱くなるサドルたち。


夏だ。自転車に乗る人は分かると思うが、サドルがお尻焼き機になる季節である。

なぜならこの時期、自転車をしばらく日差しのあたる場所に置こうものなら、サドルがものすごく熱くなる。熱いことに気づかず座ってしまい、「アチッ!」と心の中で叫んだことは何度もある。

しかしこのサドルの熱を利用すればコーヒーを沸かせるのではないだろうか。自転車を置き、帰ってくる。いつもならそこでアチッとなるとこだが、そうならず颯爽とホカホカのコーヒーを飲む。かっこいい。

かっこいいので自転車のサドルでコーヒーを沸かそうと思います。

(text by 小柳健次郎



サドルはどれくらい熱くなるのか

まずはサドルがどれほど熱くなるか調べる。今回は一般的なシチュエーションとして、よく晴れた日にジャスコの駐輪場で30分ほど自転車を止めて温度を見てみた。


実験体は姉のお下がりのママチャリ(7年物)
テリテリな陽気。

止めたばかりの温度は約50℃。

 

この日は非常に気温が高くて日差しも強く、温度を見るためのサーモテープの数値が、貼ったそばからぐんぐん上がっていく。30分後には一体どれくらい熱くなっているのだろうか。

そして30分後・・・


約58℃以上(測定不能)。まさしくお尻焼き機。

予想ではだいたい50℃前後だと思っていたので、サーモテープは最高で58℃までしか測れないタイプしか買ってなかった。

その予想を遥かに超えるすばらしい結果。これなら完璧にコーヒーが沸かせるよ。

 

さっそくコーヒーを沸かそう

予想以上の結果に自信を得たので、さっそくサドルでコーヒーを沸かそう。後日また太陽が照った日に同じジャスコの駐輪場に行って、サドルにコーヒーを置いた。


サドルonコーヒー。

さらに太陽熱を多く吸収するために、サドルに自転車用の黒いカバーを付けてパワーアップを図ってみた。


現在のコーヒーの温度は40.5℃。
犬も見てるよ。

家で飲むコーヒーの入れたての温度はだいたい60℃なので、今回はそれを目指す。現在のコーヒーの温度は約40℃だからプラス20℃だ。数値だけ聞くと厳しそうだが、表面温度約60℃以上という結果を出したサドルならいけるはず。

それでは30分ほど自転車を止めて待ってみよう。


そして30分後・・・ではなくて。

いやちょっと待て。企画とはいえ、人がたくさんいる場所でサドルの上にコーヒポットを載せたままその場を離れるのは危険だ。落っこちて割れたり、コーヒーが飛び散ったりしたら、けが人が出るかもしれない。


人と人と犬と犬に見られてる。

しかもものすごく見られてるので恥ずかしい。帰ってきて颯爽とコーヒーを飲むというのはかっこいいが、サドルにコーヒーポッドを載せてる姿は格好がどうとか言えるものではない。

ここは人ごみは避けて河原に行くことにしました。

 

河原で沸かそう

ということで河原に来ました。


コーヒーポットは前カゴに入れてきた。
到着時のコーヒー温度は38.0℃。これから60℃を目指す。

基本的に待ってるだけしかない。

安全のため、デパートの駐輪場では断念したが、考えてみれば河原のほうが沸かすのに適している。

なぜなら障害物がないので太陽がよく当たるし、人もいないからポットが落ちる危険もない。それに川で一休みしてる間にコーヒーを沸かすなんてとってもお洒落でしょ。

後はただひたすら待つ。

そして20分ほど経ったところで、どこまで熱くなったか温度を測ってみた。

20分後。サドルはかなり熱い。ならコーヒーも熱いはず。
と思ったら36.2℃。下がってるじゃん!

サーモメーターを忘れたので何度かは分からないが、サドルは十分熱くなっている。それなのにコーヒーの温度は下がっていた。このコーヒーは熱量保存の法則を無視しているのか。


どうしたコーヒー。がんばれコーヒー。

 

 
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