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ロマンの木曜日
 
池の中を撮る

何かを撮るのはムリなのか

失意のまま、最後に訪れたのは大田区の洗足池。 三度目の正直、ここでもダメなら男らしくきっぱり諦めるとしよう。


落ち着いた良い雰囲気の洗足池 水中撮影は禁止ではない……よな

今度こそ、何か写ってくれていますように。 祈りながらカメラを引き上げ、恐る恐る液晶画面をのぞいてみると……


白……?!

 

何か写った!

今度は白ミソ仕立てか……とまたも落胆しかけたその時、 一枚の写真になにかの影が見て取れた。

それは、厚ぼったいセクシーな唇につぶらな瞳、 ちょこんと飛び出たヒゲがチャーミングなシルエット……コイだ! コイが写った!

私は無我夢中でシャッターを切る。 カメラの向きを変え、深さを変え、ただひたすらに写真を撮る。


おおお! おおおおお!

すごい!やっぱりコイだ!コイ君だ!

正直、もうほとんど諦めかけていた。それゆえ、まさに感無量。 興奮するなと言う方がムリな話だろう。 いやはや、不忍池で打ち切らず、洗足池にまで足を運んで本当に良かった。

しかし、なぜここになって急にコイが撮影できるようになったのだろうか。 撮影を開始した直後はコイの姿など全く見えていなかったのに。 まさか、私の熱心な思いが通じ、コイ自ら私の元へ集まってきてくれたのか?

そんなことを思いながら、ふと顔を上げてみると……


親子連れがパンくずを撒いていた お陰でコイうじゃうじゃ

とりあえず、撮れた

とりあえず池の中を撮影することはできた。 しかし、総じて透明度は悪く、何かが写るほうがまれな状態である。

そもそも、濁っているということは栄養が豊富な池だということだ。 逆に、透明な池というのは栄養が少ないということである。 ある程度濁っている方が、池の状態としては良好なのかもしれない。

まぁ、とにかく、今回の撮影にて分かったことは、 池の中は想像以上に濁っているという事実と、 コイというのは待っているだけではやってこない、 エサを撒き、策を弄することでようやく寄ってくる、という人生の摂理であった。

池は濁れど君はいつでも美しい

 
 
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