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ひらめきの月曜日
 
地上80m、越谷のおばけ煙突にのぼる
越谷で最も高い場所にのぼろう!


子どものころ、2人兄弟の部屋に二段ベッドがあったら、どっちが上に寝るか必ずケンカになる。子どもは高いところが好きだからだ。

高いところが好きなのは子どもだけではない。例えば、ホテルのスウィートルームは最上階にある。そう、まるで2段ベッドの上段を争うよう子どものように、大人の僕らも高い場所に憧れ続けている。

高い場所にいきたい、とは思わなくても、普段生活している街を上から眺めたい。

越谷に清掃工場があって、そこに地上80mの高さの煙突がある。その煙突を展望台として解放しているらしい。これは興味深い。ぜひ、のぼってみたい。

(text by 梅田カズヒコ



バスの車窓から撮影。おぉ、あれが80mの煙突か。
テニスコートの先に巨大煙突。おや、でも隣の鉄塔のほうが高くないか?

越谷駅からバスで町外れへ

越谷は典型的な東京のベッドタウンで、市内にそれほど高い建造物はない。つまり、80mの展望台から見渡せない場所はないのだ。そういう意味で越谷の80mの展望台は東京の150mの展望台より高くて面白いのだ(断言)。

越谷市内で最も高い建物がこの80mの清掃工場の煙突である。清掃工場の煙突は周辺の環境のことを考慮して高いものを作ることが多いのだが、それを展望台として解放している場所はそう多くはない。

工場の煙突を展望台にしよう、と提案した人に感謝しつつ現場に向かった。

バスに揺られて15分。次第にひと目であれ、と分かる建物が見えてきた。

 

煙突は近くて遠い

建物が見えたので、案内にあった一駅手前の停留場で降りて歩くことにした。いい写真が撮れそうだったからである。

しかしすぐそばにある気がしたのになかなかたどり着かない。

すぐそばにある気がした煙突は、歩いても歩いても近づかず、代わりに近づくたびにどんどん高くなっているようだった。どうやら遠近感が狂っていたみたいだ。

 

鉄塔のほうが高く見えたのは清掃工場がもっと遠くにあったからだった。でかいな。これが煙突か。

 

さっそく中へ

東京タワーにのぼるのも、横浜マリンタワーにのぼるのもお金がかかる。しかし、この越谷の清掃工場は無料でのぼれる。なんて太っ腹なんだろう。しかも、僕らが出したごみを処分してくれてもいるのである。他の展望台に比べなんと実用的で働き者で謙虚な煙突なのだろう。僕はこの煙突を観光スポットとして推したい。

 

無料なのに記念コインがもらえる

この展望台は無料の代わりに、のぼるためには受付を済ませなければいけないのだが、受付を済ますと記念コインがもらえた。

ちょっと嬉しい記念コイン。

メダルをもらえるだけでちょっと嬉しいが、このメダルはちょっとした嬉しい使い道があるのだ。(でもそれはあとで紹介します!)

真下から見ると展望台部分がせり出しているのが分かる。安全だとは知りつつもちょっと怖い。
展望台へのエレベーター。地上80mなのだが、エレベーターの回数表示は4階。4階といわれると低い気がしてしまうよね。

かなり遠くまで見渡せる

取材日もかなり天気が良い気がしたのだが、本当に空が澄んでいる日はここから富士山が見えるらしい。あと、東京タワーや代々木のドコモタワー、六本木ヒルズなんかが望遠鏡で確認できた。

越谷駅方面

越谷駅のほうを見たら駅のほうから住宅地と農地の境目がくっきりしていた。駅に近いほうから順番に宅地開発が行われてきたのがよく分かる。


望遠鏡を見るときにさっきのコインを…

さっきもらった記念メダルを使うと望遠鏡を見ることができるのだ。記念コインを持って帰るか、コインを使って望遠鏡をのぞくか、どっちにしようか。悩ましいところだ。

 

ところで、煙突なのになぜちゃんとした展望台になってるの?

ところでなんで煙突なのにこんな広々とした展望台をつけることができるのか?
疑問に思っている人もいるかもしれない。つたない小学生みたいなイラストで申し訳ないが、こういう仕組みになっているのだ。

 

展望台の断面図

これが断面図だと思っていただきたい。赤色が煙突。実はこの太い煙突は、4本の細い煙突が合体したものだったのだ。煙突は頑丈な柱に囲まれているから煙がもれる心配もないわけだ。


球場が見える。試合のときは超特等席だ。
ガソリンスタンド。スタンドって上から見るとよりおもちゃっぽく見えませんか?

 

地元らしい魅力も満載

目印はヨーカドー。今回の取材の中で一番ぐっときました。

ただただ見晴らしがいいだけなら確かにほかの展望台にもいえるが、地元ならではの魅力もある。

展望台には天気がいいときの写真が飾ってあって、「この方角にはこれがありますよ」と目印を伝えてくれるものがあるのだが、目印が「イトーヨーカドー」とか、○○高校とか、いかにも地元の施設っぽくて面白い。

どこにでもある施設なんだけど、探してみてイトーヨーカドーの看板を見つけたときはなんだか嬉しかった。

東埼玉資源環境組合・第一工場ごみ処理施設

埼玉県越谷市増林3-2-1
048-966-0121

東武伊勢崎線越谷駅より総合体育館行きのバスで20分ほど

<うめだアドバイス>
バスは1時間に1本程度なので、車をお持ちのかたは車のほうが便利ですかね。バスの人は帰りのバスの時間をチェックしてから向かうようにしましょう。


普通に週末を楽しんだだけでしたね

僕はわりと高いところが好きで、タワーや展望台に関する記事が多い。そのため今回の取材もかなり楽しんだのですが、家に帰って原稿を仕上げてみると、なんというか、普通に週末に展望台に遊びに行った人の感想みたいになってしまいました。なんだかすみません。

この場所は僕個人的にかなりお気に入りで、僕の中でかなりレベルの高いデートコースなのだが、なんで僕がこの場所に惹かれるのかちょっと考えてみた。

高い展望台はあるにはあるのだが、この展望台は見える景色が「学校の屋上」の雰囲気に近いのだと思う。

ヨーカドーがあって、市役所があって、駅があって無数の住宅がある。どこにでもある最大公約数的な学校の屋上の風景だと思う。僕は越谷には縁もゆかりもないのだが、どこか懐かしい風景を見ている気がしてならないのだ。全国数千万人のベッドタウン育ちの皆さん、越谷に行って郷愁を感じましょう!!


 
 
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