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ひらめきの月曜日
 
ドッグカフェで犬用のメニューを食べてみた

レバーペースト試食


おそるおそる。

納豆チャーハンのときと比べ味が想像できないのでスプーンを持つ手が少し自信なさげ。

こ…これは…。

あまりの生臭さに言葉が出なくなった。人間用のレバーは味付けがなされているようだが、味付けのないレバーはとても直接的な味がした。手も表情もしばらく動かなかった。

 

テンション下がる


「誰だよ、ドッグフードがうまそうだなんていいだしたのは」(自分だ)

明らかにテンションの下がる僕を見かねて優しそうな店主さんがやってきてくれた。

「おいしくなかったでしょう。だって、ワンちゃん用メニューですからねぇ」

勝手に犬用のメニューが食べたいと言い出して、勝手に店に来て、勝手に食べて、勝手にテンションが下がっている僕。そんな同情の余地もない僕を気遣う店主さん。なんていい人なんだろう。

 

「どうした、梅田」
「なんかつらいことでもあったか?」
「なに? おれたちの飯がまずいって?」
「うまいじゃん!おまえの舌、おかしいんじゃない?」

犬に励まされる

僕が残ったレバーペストをどうしようか悩んでいたら、お店で飼っているつがいの犬の夫婦がやってきた。彼らはレバーペーストをぺろりと平らげ、もっと飯はないのかとでも言いたげだった。やっぱりあのメニューは犬にとってはご馳走のようだ。

うめだ「犬用のメニューはどうやって決めるんですか?」
店主「みんなで考えるんです」
うめだ「レバーペーストはなんとなく分かるんですが、犬も納豆食べるんですね」
店主「ええ、納豆は身体に良いですから。基本的に、犬が好むメニューは味が薄いものなんです。味付けしないんですね」
うめだ「なるほど。人間は味付けしたものが好きなんですけどね」

そういえば地球上の生命体で、塩気のある食べ物を好むのは人間だけという話を聞いた気がする。

 

ドッグカフェの老舗

その後話を聞くとこのお店、まだ東京に2〜3軒しかドッグカフェがなかった時代から営業をしているという老舗の店舗らしい。このお店をオープンしたきっかけは、トリマーによって犬のトリミング(犬の身体や毛を洗うこと)を行うサービスを始めたら、みんな店内で待ちだした。そこで待っているお客さん向けにカフェを始めたらみんなに気に入ってもらえた、という経緯らしい。このお店のトリミングルームはガラス張りで外から見学しながらお茶を飲めるので、心配性の飼い主も安心だというわけだ。

ちなみに最近は舌の肥えた犬が増えたようで、普通のペットフードを食べない犬が増えてきているそうだ。

写真は別のお店のワンちゃんメニュー。ハンバーグだが、やはり味がない。

人間<犬?

印象的だったのは納豆チャーハンに塩とコショウを振りかけたらすごく美味しくなったことだ。つまり、犬と人間の味覚の差は、簡単に言えば塩を振っているか振っていないかの差である。

素材をそのまま食べる犬に、調味料で味付けして違う味にしてから食べる人間。

そう書くと人間のほうが調味料ひとつでごまかしているともいえないだろうか。犬も人間並の舌を持っているんだ、というまとめを考えていたが、人間の舌のほうが調味料ひとつでごまかせてバカなのかもしれない、と思った。

そして、ドッグカフェの犬用メニューは、いくら見た目がおいしそうだからと言って、人間が食べるとそれほどおいしくない、というのが真相です。ご協力いただいたwithさん、無理なお願いを聞いてくださって本当にありがとうございました。


 
 
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