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はっけんの水曜日
 
江戸川に浮かぶ妙見島

真ん中の大きい建物がラブホテル。入った事はない。
■島の南側にきた

 北側から、来た道を戻って南側に来た。頭上に重くのしかかってくる浦安橋をくぐると、ラブホテルが建っている。かつてこのホテルの場所には造船所があったそうだ。

 撮影中、車が1台出てきた。なんだか微妙な空気が流れた。怖い人じゃなくてよかった。
昔は営業していたという食堂。でも、閉店したって本当?という雰囲気。本当は営業してたらごめんなさい。
 

この辺りには他に、10年前に閉店したという食堂と屋形船の船宿、ゴミ回収車の会社がある。ゴミ回収車は東西線からもズラリと並んだ姿がよく見える。

 屋形船の船宿近くには数隻の屋形船が係留されていた。屋形船は一度も乗ったことがないが、死ぬまでに一度は乗ってみねばと密かに思っている。


船宿がある妙見島南部分。桟橋は危険なため立ち入り禁止。

■南側から西側を探索する

 浦安橋から降りてくる道路をぐるりを廻ると、島の西側を探検出来そうな細い道があった。警備員さんがいたので、

「この先は行けるんですか?」

と聞いてみたら

「道があるみたいだけど行ったことはない」

と教えてくれた。どうやら立ち入り禁止ではないようなので進んでみた。


ぐるっとした道路の造形が格好良い。興奮。

浦安橋の下は昼でも暗い。モンスターとか出てきそう。

狭い路地的な道がつづく。

植物に覆われた建物や、朽ちかけの道がどうにも良い雰囲気だ。錆びた鉄はどうしてこうも魅力的なのか。

生えるにまかせて建物を豪快に覆っているツタ。まるでモリゾーかなにかだ。屋上緑化と同じ効果が期待出来る。

■西側は全体的に緑色だ

 コンクリで固められた灰色の東側と違い、色々と忘れ去られた風情の西側は雑草やツタに覆われ、かなり緑色に埋まっていた。


打ち棄てられたケーブルリール。

桟橋には猫がいた。痩せた子猫で、適度に警戒心を持っている

雑草、錆び、プラントのコラボレーション。超素敵。

気ままに生えた木と、その中に埋もれたプラント、煙突、そして錆び。全てが萌え要素で素晴らしい。失禁しそう。

 

結構猫がいる。エサが少ないみたいでみんな痩せている。

■今度は外から眺めてみよう

 東側、南側、西側をぐるりと見てきた。北側は工場が広がっていて立ち入れないので、島の外から観察してみようと思う。

一旦浦安橋の上に戻って橋を渡り、葛西側から眺めることにした。


さっきまで歩いてた西側の道を上から見た。写真中央にモリゾーっぽい建物が建っている。手前の建物は寮らしい。

 

島を眺めながら葛西側の道路を北上。

■レンズで遊びながら北へ移動

 浦安側と比べて幅が狭い葛西側の江戸川。川に沿って自転車も通れる道が続いていたのでどんどん走っていった。

 この日は10mmの広角レンズ(35mm換算で16mm)を使って撮影していたのだが、自転車で走りながらファインダーを覗いたら非常に楽しかった。

※あぶないので真似しない様に

 広角レンズは画面の端がミョーンと延びて遠近感が強調される。そのせいで、大してスピードを出していないのに、もの凄いスピードで走っている様に感じられたのだ。

「ひゃー!!こえー!!」

と思って目を外すと、実際はもの凄い低速で走っていることに気付く。これがまー、危ないけど楽しかったのだ。

 両目に広角レンズを付けたらもの凄く楽しいかも知れない。まてよ、歩くスピードも速く感じられるのでは?むむ、動く歩道に乗って広角レンズを覗いてみたらどうなる?!

なんて事をやっていたら妙見島の北側を拝める位置に到着した。

丸い妙見島最北端。テラスの様な場所がある。月島食品に就職したらあそこで釣りとが出来るのだろうか。

妙見島の尻を見つめる老婆、いやさ、お嬢さん。
去年の夏に「船の尻は、セクシーだ」という記事を書いたが、それに通じるセクシーさを妙見島にも感じた。

 南側の尖った形状を考えるとあれは船首で、こちらはまさに船尾、つまり尻だ。船の尻もセクシーだったが、島の尻もセクシーだと思った。これは良い尻だ。

 妙見島の丸い尻を見て満足した僕は浦安に帰ることにして自転車をUターンさせた。

 すると、(島の)尻が見える辺りに老婆が立っていた。じっと尻を見る目は真剣だった。きっと「あたしもあんなセクシーな時期があったんだ」って思っていたに違いない。

「大丈夫、お嬢さん。今も十分にセクシーですよ」

と、心の中でそっと声を掛けた。

■妙見島は楽しい島だ

ぶっちゃけ何もない島だ。マリンクラブに入ってクルーザーに乗る様な生活をするか、島内の会社で働くかしなければ縁がない。ラブホテル?うん、用はない。

だけど、僕らにとっては工場と、緑と錆びあふるる西側があれば十分で、それで不足なく癒やされてしまうのだ。だって、そういう雰囲気が好きなんだもの。

浦安に住んで3年。いつも外からは見てたけど降りたことは無かった妙見島。この機会に行く事が出来て良かったと思いました。あー、楽しかった。


 
 
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