つまりこういうやつです
「ああ!」と思った方もきっと多いと思う。顔ジャケラーメン、つまりこういう、行列店の店主の写真が入ったカップ麺のことだ。いつからかコンビニなどで見かけはじめ、最近ではまったく珍しくなくなった。
「最初は行列のできる店のラーメンという切り口のカップ麺として出回ったんですよね。その頃は店主の顔写真はとくに載っていなくて、店名がばーんと出てました。
その後、大勝軒とか店主が有名な店の商品に自然と顔写真も載るようになったみたいです」
解説してくれたのは顔ジャケラーメンというジャンルの命名者にしてコレクターの永井ミキジさん。最初に載せた4枚の写真もコレクションから提供していただいたものだ。
永井さんが集め始めたのがだいたい2004年ぐらいで、それ以前から顔ジャケラーメンは存在していたというからここ5年ぐらいの流行ということらしい。
食べきれないほど集まっちゃって
カップ麺業界、とかく顔ジャケラーメンのような企画がらみのものは何しろサイクルが早い。月に2、3種から多いときは5、6種ぐらいの新商品が出るそうだ。
「基本的にコンビニをまわって買います。コレクションを始めて以降ので持ってないのはないはずです」
毎月必ず顔ジャケのものをシリーズとして出すメーカーもあるというから、勢い食べきれないぐらいの量が集まってくる。家に「ラーメンが積みあがっている状態」だそうだ。
永井さんが集めているのはあくまでジャケットの部分。そこで、試食会を開いて大勢で一気に食べてしまえというのが本日の趣旨というわけだ。ん? ということは、永井さん自身はひとつひとつ味見なしで、ジャケットを集めるだけでいいんですか?
「いいんです。もともとカップ麺がものすごい好きってわけじゃないってところもあって」
そうなのか。カップ麺がありすぎて困るからみんな食べてくれ、そのかわり、フタの部分の紙はきれいにはがして俺に返してくれって、こんな状況めったいにないぞ。
で、なんで朝なんですか?
さて、そんな永井さんにさらにディープな話をうかがっていきたいのだが、ちょっと待って欲しい。
なんで私は朝から外でカップ麺を食べているんだろう。
この試食会、なぜか会場は野外、しかも開始が早朝7時だったのだ。にもかかわらず大勢が集まって、そうしてみんなカップ麺をすすっている。なぜ。
実はこの試食会、主催は永井さんではなくご友人の臼井悠さん(古賀の友人でもあったりします)。臼井さんは毎年この時期に「早朝から外で飲む会」というバンカラな集いを開催しており、今回の試食会はそれに合流する形で行われたということだった。な、なるほど……。
早朝というだけでなく、試食会は仕掛けが満載。生めんタイプの商品には具がないことが多いため試食時にトッピングが買えるガチャポンが用意されていたり、DJがいて音楽をかけていたり、盛りだくさんである。
えらいこっちゃと思いながらガチャポンをやってラーメンを食べて踊って、あ、しまった永井さんにお話を聞かねばと腰を上げてもまだ朝10時であった。普通の日なら始業1時間しか経ってない。なんだろう、この会は。何かのおとぎ話か。 |